クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • カーライフ
  • 高齢者には聞こえにくい? ハイブリッドやEVの「接近音」は現状がベストなのか
カーライフ
share:

高齢者には聞こえにくい? ハイブリッドやEVの「接近音」は現状がベストなのか

投稿日:

TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: トヨタ/GM/Auto Messe Web

過去には2種類の音を発するホーンが提案されたことも

 30年近く前に、米国のゼネラル・モーターズ(GM)が開発したインパクトと呼ばれる試作のEVは、ホーンを2種類備えていた。ひとつは、エンジン車と同じ警告を与える強い音色だ。もうひとつは、歩行者などへEVの存在を知らせる軽い音色で、パフパフゥ〜〜と、それを聞いて思わず笑顔になってしまうようなものだった。このホーンを使えば、歩行者も運転者も互いに苛立ちを覚えず、相手を注意して通行することができるのではないか。それこそ、クルマと人が近しい関係になれるきっかけにもなる。

GMの試作車「インパクト」 ところが、日本ではホーンをふたつ装備することが禁止されている。理由は、その昔の暴走族が派手なホーンを鳴らすことを取り締まれるようにするためだ。

 それはそれで、意味があったことなのだろう。だが、それだけのことで、擬音を出さなければならないという法律を設けることは、本末転倒である。監督官庁も自動車メーカーも根本を解決せず、安易な策に溺れているとしかいいようがない。

 さらに、各自動車メーカーは自社独自の擬音をつくり、それを「よい音だ」と自慢する風潮さえある。しかし、本来の目的は目の不自由な人がEVやHVの接近を知るためのものであり、それであるなら各社共通の音色や音量であるべきだ。さまざまな擬音があったら、街の騒音を含め何に危険を感じたり、意識したりしなければならないかが、目の不自由な人はわからなくなる。それほど、自動車メーカーは障害を持つ人に心配りのできない、自己満足に溺れる企業体質でもあるのだ。とても福祉社会とはいえないだろう。

プラグインハイブリッド車のイメージ 脱炭素社会へ向け、これからさらにEVの導入が促されていくはずだが、自動車メーカー各社は共通の擬音の採用へ動くべきである。それこそ、自動車工業会が為すべき事業であろう。

12
  • 市街地を走るハイブリッド車
  • GMの試作車「インパクト」
  • プラグインハイブリッド車のイメージ
  • 近接音のイメージ
すべて表示

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS