「ワイスピ」が日本のスポーツモデルの魅力を世界中に知らしめた!
「ワイルド・スピード」をただのカーアクション映画と思っている人がいたなら、それは間違いでしかありません。ストリートバトルという若者文化を切り取ったドキュメンタルなタッチが発祥ではありましたが、立場の違う者同士がペアを組む「バディもの」の要素だったり、家族や仲間との絆、007のような特撮車両的な魅力などなど、映画としてウケる仕掛けがこれでもかと詰め込まれているのです。だからこそシリーズ全10作も続いているのです。
クルマの世界でもしっかりと「多様性」を重んじられているのは、さすがハリウッドです。
大人気シリーズも終焉を迎えるのか!? 魅力的な劇中車を振り返る
真偽は定かではありませんが、現在公開中の「ジェットブレイク」後は、あと2作をもってワイルド・スピードが完結する、という噂もあったりなかったりします。ファンとしては、同じ「サーガ」を名乗るスター・ウォーズの連作のように、本編こそ完結してもスピンオフ作品で楽しませてくれることを望みます。そんな想いをこめて、魅力あふれる劇中登場車両を見ていきましょう。
【MAZDA RX-7(FD3S)/ オーナー:ハン】
2006年公開の3作目「X3 TOKYO DRIFT」を象徴する登場車両といえば、間違いなくこのクルマになるでしょう。マツダRX-7(FD3S)です。といってもベース車両の面影は、ガラスエリアとテールランプくらいしか残っていません。これはヴェイルサイドが作り上げたカスタムコンプリート「RX-7フォーチュン」なのです。
【NISSAN 240SX (S14)/ オーナー:レティ】
ワイスピファミリーの核となる人物がドミニクです。最初はトラック窃盗団の親玉でしたが、いまでは仲間を率いて地球の未来を護る存在です。その大事なパートナーが、レティです。そのレティが乗るのが日本でいうS14シルビア後期、現地名240SXです。女性らしくピンクのカラーに塗られていましたが、ブリッツのブーコン&ニュルスペックRマフラー、GAB車高調など、なじみのあるジャパンブランドのパーツで走りをしっかり強化していました。
【NISSAN スカイラインGT-R (KPGC10)/ オーナー:主人公ブライアン】
プライベートでもGT-Rを所有する「R」フリークだったポール・ウォーカー演じるブライアン。そのキャラクターをさらに補完したのが5作目「MEGA MAX」に登場したハコスカGT-R(KPGC10)でした。R32でもなく、第一世代をキャスティングするのはあっぱれと言うほかありません。
【LEXUS LFA (LFA10)/ オーナー:ハン&ジゼル】
5作目「MEGA MAX」に登場したレクサスLFA。クールなハンが当時、のめりこんでいた女性がジゼル。死んだと思われていたハンの真相を知る人物です。重要なミッションを無事遂行したふたりがアドレナリンだくだく状態でアウトバーンを疾走するシーンに、さらに高揚感を添えていました。
【TOYOTA ランドクルーザー 40(FJ40)/ オーナー:サイファー】
作品が新たな章に突入するごとに、スーパーカーやマッスルカー、キットカーや装甲車、戦車と登場車両がマッチョ化していくのがワイスピです。
それでも、ジャンルが取っ散らからないようスポーツカーに重きを置くことを遵守し、世界観を崩さないようにしているのはシリーズの車両手配を長らく担ってきたデニスの腕前です。ジープやSUVも登場しますが最旬のギラついたSUVではなく、クラシックなモデルが大半です。8作目「ICE BREAK」に登場したランクル40のように、あくまで箸休め的な存在に徹していました。