完全オリジナル維持はある意味究極系!
旧車の世界にはいろいろと流派というか、こだわりのポイントがあったりする。そのなかのひとつが、オリジナル派と呼ばれるもの。読んで字のごとく、オリジナル、つまり新車の状態に価値を見出すオーナーのことだ。
ボルトひとつにまで当時物へこだわる人も!
別に悪いことではなく、新車の状態をそのまま維持できていればそれに越したことがないのは確か。だが、30年以上も経っているとそうも言っていられないのもまた事実。塗装やボディの腐食、内装の破れなど、そのままにしておくのはみっともなかったり、被害が拡大する場合も多い。
また旧車の場合、例えば10年落ちぐらいの時代は中古車として底値だったりして、変な改造やチューニングなどが施されている場合もあったりする。
ひと口にオリジナル派と言ってもレベルはさまざまで、塗装はもちろん、ネジ一本まで新車当時のものにこだわる人や、見た目や仕様が新車の状態に近ければよしとする人もいる。さらにその中間にはボディに穴を開けるのは抵抗があるという人もいる。このネジ一本までというのはよく言われることなのだが、例えばオリジナルうんぬんについて考えるいいポイントと言っていい。
古いボルトの頭には今の新品にはない刻印が打ってあったり、なかにはメーカー名が入っていることもある。純正部品として新品が出てくることもあるが、デッドストックが出てくるわけではないため、最近作られたものだと刻印などがなかったり、メッキの風合いが違っていることはよくある。
それを使ってレストアや修理をした場合、そこだけ浮いた感じになるのをどう考えるかだ。この点をした解消するのに行われるのが、外したナットやボルトの再メッキ。汚れやサビを落として、往年の風合いをもったメッキをあらためてかけてやるというもの。スプリングやドアのキャッチなど、金属部品にもよく行われる。
そうなると、再メッキでいいじゃないかと思うかもしれない。だが、何十年も経ったネジは金属的な強度が落ちていることも考えられるし、ネジ山自体も崩れている可能性がある。つまり見た目がピカピカになっても、機能が低下していることがあるわけだ。