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「新車状態が絶対!」原理主義者にモノ申す! 旧車は「完全オリジナル」じゃないと価値はないのか?

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: NISMO/Auto Messe Web

復刻の純正部品ながら当時物より精度が落ちた例も……

 同様のことは塗装やボディ、内装、足まわりなど、すべてけっこうな部分に当てはまること。デッドストックが見つかればいいかもしれないが、これも作られた当時の性能が確保されているか微妙だ。ある程度の性能低下に目をつぶっても、昨今の旧車ブームはパーツにも波及していて高騰しているため、気軽に買えるわけでもない。

レストア中のR32

 実際に旧車オーナーのなかでの現実的なオリジナルというのは、当時の雰囲気を壊さなければいいということになるように思う。実際、ネジまでオリジナル、復刻部品もダメというのは、かなり特殊な存在ではある。ちなみに復刻部品が出ても、メーカー純正ながら当時物とまったく同じではないことがあったりして、逆にオリジナルの価値が上がったりするから難しい世界ではある。最近のオートバイのヘッドはいい例だ。

 また、以前、某メーカーがある名車のボディパネルを復刻したものの、プレスのラインが甘いなどの声が出て散々だったということがあった。こういったのは少々行き過ぎた感じはするが……。

 さすがにエンジンを現代のものに換装したり、併せてATにしたり、さらに最近ではEVにすることもある。このような作業を行うのはオーナーの自由なので否定はしないが、オリジナルかどうかという点では旧車そのものの持ち味が変わってしまうことなので、どうかと思うこともある。当たり前だが、旧車は減ることはあっても増えることはなく、文化遺産的な要素もあるものだ。

当時の味と現代の技術をうまくミックスさせるのもオススメ

 ある旧車専門店の店主は、ことあるごとに「旧車だってクルマ、クルマは走ってナンボ」と言っているが、オリジナルにこだわりすぎて気を使って維持するよりも、そのときどきであるものを使い直してやる。クーラーも当時の雰囲気に近い吊り下げ式を付けたり、軽自動車のパーツを流用してのパワステ化もアリで、気軽かつ快適に楽しむという点ではありだろう。そもそもサビたボディを溶接で切り次ぐのは、火が入るからイヤといってもどうしようもない。

レストアしたR32GT-Rの走り 極太タイヤや極端なシャコタンなど、変な改造や最新のパーツを付けなければオリジナル派と言っていいのではないだろうか。ただ、チューニングも当時のパーツ、ノウハウで行う「“古”チューン」なる言葉もある。いわば往年のオリジナルチューンとも言えるだけに、奥深いところだ。まぁ、「そうだ」「いや違う」「このレベルなら許す」といった、オリジナル論争というのも、また楽しいものだったりするのだが。

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  • レストアしたR32GT-Rの走り
  • ボルトの違い
  • レストア中のR32
  • 新車のようなハコスカとケンメリ
  • レストアしたR32の下まわり
  • フルレストアのR32の室内
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