パイクカーコレクションに「パオ」が加わった
1980年代後半、バブル経済に沸く当時、日産は初代マーチをベースに「パイクカー」なるものを作り上げていた。さまざまな世界へと広がりを見せるクルマで追い求める夢を、クルマそのものに体現したかのようなその三部作には「Be-1」「PAO(パオ)」「フィガロ」があった。そしてどれもが大人気だった。
パオもまた、モダンでもありノスタルジックでもあり、どことなく愛嬌がある風貌だったが、細部にわたって余すところなく作り上げられたデザインのこだわりが見られた。ハンドル、ダッシュボード、インストルメントパネル、カーラジオ、ウインカーレバー、シンプルだが膨らみを感じさせるラインばかり。
車名は、モンゴルの遊牧民が移動の先々での生活拠点とする大型のテント「包(パオ)」から命名されている。先に登場したBe-1が和みある街の雰囲気を放つスタイルであるのに対し、パオは、アウトドア、モンゴルの草原を薫らせるような仕上がりだった。
ドアやリヤゲートに見られるヒンジなどは、まさに見えるがままの開閉を象徴しているもの、隠しようのないあるがままの自然の中のクルマであることが見て取れるデザインでもあった。フロント三角ウインドウがあり涼しげで、ルーフキャリアが頼もしく、キャンバストップ仕様のルーフもまたあり、解放的だった。 1万台限定販売で即完売となったBe-1に続き、パオは3カ月限定で請け負った受注をすべてこなすという流れで5万台以上もの驚異的予約となり、納車に1年半を要したともいう。
今回登場の1/64スケールのパオには、アクアグレー、テラコッタ、そしてアオシマオリジナルのピンク、グリーンの4ボディカラーがそろった。価格は400円(税込)。「パイクカー」のシリーズ、次はフィガロなのかとも気になるところだが、まずは遠くサファリかシルクロードか、ちっちゃなパオを連ねればキャラバン隊への想いを馳せてみることも……。
※商品は、日産自動車株式会社のライセンスプロダクトです
※オリジナルカラー表記商品は日産の許可を取り制作しています
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