II型でエクステリアデザインもガラッと一新
日産MID4は、1985年のフランクフルトショーでお披露目されたのち、同年の東京モーターショーで“里帰り”デビューを果たしています。さらに2年後の1987年に行われた東京モーターショーでは、改良モデルとなるMID4IIが登場しました。 MID4からMID4IIへの変化は、まさにフルモデルチェンジと言っていいほどの大幅な変化で、搭載されたエンジンからシャーシ、さらにエクステリアデザインもガラッと一新されています。
まずはそのエクステリアデザインから紹介していきましょう。サイズ的には3サイズとホイールベースが、それぞれ4300mm×1860mm×1120mm、2540mmとなっていて、全高のみは不変でしたが、150mm長く90mm広く、ホイールベースも105mm延長されています。ひとまわり以上も大きくなった割には車両重量は1400kgと170kgの増加にとどめていました。 これはフロントフードやフェンダー、エンジンフード&トランクリッドなどにアルミパネルを採用したことが大きかったようです。このサイズ拡大を受けて、ルックスは幾分冗長的に映るのは否定できませんが、それでも低く(全高が同じだから見えるだけ!)ワイドなシルエットは、エアロを追求した成果で、空気抵抗係数は世界トップレベルのCd=0.30を達成していました。 ルックスでもっとも大きく変わったのはボディ後半部分で、サイドウインドウの後半部分が大きく拡げられクオーターパネルが一般的な形状のCピラーに置き換えられたことです。横長のテールランプが、テールの高い位置に取り付けられたことで幅広い全幅をアピールしていました。 またサイドビューではドア直後のエアインテークがより迫力を増していて、さらにエキゾーストも左右2本出しで、大きな存在感を見せていたのも見逃せない特徴のひとつでした。
エンジンは縦置きに変更
その迫力を増したルックスを身に纏ったシャーシでも大きな変化が見られました。MID4では3L V6のツインカム24バルブのVG30DEエンジンを横向きに搭載していたのですが、新しいMID4Ⅱでは縦置きに変更され、より正確に言うなら縦置きで前後を逆転させていました。 つまりボディから見てエンジンが最後部に置かれ、その前方にミッション、さらにその前方に(センター)デフが置かれ、そこから前方に伸びるトルクチューブ式のプロペラシャフトで前輪を駆動し、(センター)デフからギヤで取り出されたトルクは、ボディ後方に伸びるドライブシャフトで後輪を駆動する駆動レイアウトとなっていたのです。
またMID4IIでは前後のデフに、新たにビスカスカップリングを使ったデフが追加されていました。この進化したシャーシに取り付けられる前後のサスペンションもMID4の4輪ストラットから、フロントが、より低められたノーズと干渉しないよう、アッパーアームの位置が引き下げられたダブルウイッシュボーン式に。リヤにはダブルウイッシュボーンをさらに進化させたマルチリンクを開発、MID4と同様にHICASと組み合わされていました。