HIDとLEDの違いを解説
HIDのメリット・デメリット
では、HIDとLEDはなにが違うのだろうか? 消費電力は同じぐらいだし、純白に限れば似たような感じではある。まずHIDだが、こちらはディチャージヘッドライトやキセノンヘッドライトと呼ばれることからもかわるように、細いバルブの内部にキセノンガス、水銀、ヨウ化金属などが封入してあり、内部の電極間で放電し光が発生する。
メタルハイライドと呼ばれる発光方法のひとつで、蛍光灯に似た仕組みと言っていい。メリットは消費電力が少ないことと、ハロゲンに比べて寿命が長いこと。
一方のデメリットとしてはバラストなどの別ユニットが必要なことと、発光が安定するまでに時間がかかること。
素早い安定のために入れられているのがキセノンガスだ。また発光した瞬間は青みがかっていることがあるが、こちらも内部のガスの特性によるものとなっている。また発熱が少ないため、降雪時にヘッドライトに付着した雪が解けないため、ウォッシャーが必要になることもあげられる。
LEDのメリット・デメリット
LEDについては発光ダイオードとも呼ばれることからわかるように、ハロゲンはもちろん、HIDともまったく異なる理屈だ。かなり難しいので簡単に説明すると、プラスとマイナスの電気をチップの中で衝突させることで光に変えるというもの。
消費電力が少ないのは電気を直接、光にするからだ。メリットはこの消費電力の低さと瞬間的に点灯すること。デメリットは、一気に普及しなかった理由のひとつである、熱対策が大変ということ。
LEDは発熱がかなり少ないと言われるし、たしかにそうなのだが、バルブそのものはそうでも、付属のユニットからの熱が問題となる。また純白の光もメリットのように思えるが、じつは白を直接発光させることができず、ほかの色を混ぜて作るしかないのが現状だ。
まとめ:LEDの次はレーザーと言われているが
現状ではハロゲンは商用モデル&グレードに残っているものの、HIDの採用は減っていて、LEDのヘッドライトは珍しくなくなってきている。LEDの次はレーザーとされ、ドイツ車を皮切りにして普及が進むだろう。
光の発生メカニズムがまったく違うものがドンドンと登場して進化していくのは、他の部位に見られないものかもしれない。