メーカー公式の最高速度は300km/h!
当初予定していた5Lエンジンの導入もあきらめ、ランボルギーニ・ミウラに横置きで積まれていた排気量3929ccの水冷60度V型12気筒DOHCエンジンをミッドに縦置きで搭載した。3929cc/V12エンジンの最高出力は375psに抑えられていたが、ランボルギーニから発表された最高速度はLP500と同じ300km/hのままだった。 スーパーカーブーム全盛時、300km/h級の最高速度を声高にアピールしていたのはランボルギーニ・カウンタック LP400とフェラーリ 365GT4/BBだけ。最速のロードカーという称号を守らなければならなかったBBは、302km/hというトップスピードをカタログデータ上で強調した。
大人になってから冷静に考えれば“300km/h”というのは到達するのが難しいトップスピードであることがすぐさまわかる。だが、往時は「スーパーカーはスペックが命」といった風潮があり、子どもたちはLP400と365GT4/BBの間で勃発した最高速戦争の話で大いに盛り上がった。
ホイールベースはトヨタMR-Sと同じ
さて、スタンツァーニは、ガンディーニによる独創的なデザインを具現化し、カウンタックのハンドリングを向上させるためにショートホイールベースにこだわった。エンジンの前にトランスミッションとクラッチ、エンジンの後ろにデフを配置するという革新的な設計を行っている。
その結果、ミウラよりも50mm短い2450mmというホイールベースと、48:52という前後重量配分を実現。ホイールベース=2450mmというのは昨今のクルマでいえばトヨタMR-Sと同じ数値なので、それがいかに短いのかを窺い知れるだろう。
最終型のプロトタイプにはオーバーヒート対策がしっかり施されていた
前述したように、カウンタック LP400の市販化への道は険しいものとなり、オーバーヒート対策としてエアインテーク、エアアウトレット、NACAダクトなどを設けるなどし、冷却効果を高めた緑色のプロトタイプが1973年のジュネーブ・モーターショーで展示される。そして、翌年の同ショーにおいてLP400の最終プロトタイプを公開した。
晴れて市販型のデリバリーが開始された。 ウェッジシェイプそのもののような斬新なプロポーションや、上方に開くスイングアップドアといったセンセーショナルなディテールを採用していたカウンタック LP400は、デビュー当初こそ独自の先進性がアドバンテージポイントとなった。だが、80年代を迎えようとしていたころから、ライバルたちと比較してメカニズム的にも視覚的にも旧態化が目立つようになってしまった。