トヨタC-HR GR SPORT
いやいや、今ならSUVでしょ……と言うなら、C-HRのマイチェンを機に加わったC-HR GR SPORTがある。GRとはレースでも活躍するガズーレーシングの略。このC-HR GR SPORTは今をときめくGRヤリスほどクローズアップされていないものの、ただでさえスタイリッシュなC-HRのスタイリングを極限まで引き締め、スポーツモデルとしての存在感を強めた隠れ(!?)スポーツコンバージョンモデルなのである。
パワーユニットに手が入らないのはほかのGR SPORT同様だが、エクステリア、GRステアリング、シート、加飾を含むインテリアの仕立てはGR SPORT専用だ。チューニングとしては足まわりが基本となる。タイヤサイズはなんと225/45R19!! さらにフロアトンネルの補強から、スプリング、ダンパーの専用化に至るまで手が入っている。すでに説明したように、その足まわりこそがC-HR GR SPORTの真骨頂なのである。
ホンダ・フィットe:HEVモデューロX
まさに大穴的メーカー純正コンプリートカーが、先代から一転、“いい人すぎる”ほんわりイメージ(エッジの効いたスタイリングから、柴犬モチーフのまろやかなカタチに!?)に激変したフィットのe:HEVモデューロXである。ベースは洗練と上質を兼ね備えたスタイリッシュタイプのLUXE(リュクス)グレード。それを熟練エンジニアが磨き上げたのが、モデューロXというわけだ。
エクステリアでは精悍な専用フロントグリル、前後エアロバンパー、テールゲートスポイラー、ドアロワガーニッシュ、ダーククロームメッキエンブレム、16インチアルミホイール&専用サスペンションなどによってキメまくり、インテリアでは専用のブラック&ボルドーレッドの本革巻ステアリング、ボルドーレッドステッチ入りの本革巻きセレクトレバー、ラックススウェード×本革のモデューロXロゴ入りスポーツシート、レッドリングのパワースイッチなどが奢られる。
その佇まい、乗り込んだ際のレーシーな特別感は、ノーマルフィットとは別世界と言っていい。しかもだ。ベース車に対してパワーユニットに変更はないものの、走りの滑らかさ、安定感、フラットな乗り心地という点で、明らかに上まわる熟練エンジニアによる磨き上げを堪能することができるのだ。それらはデザイン性だけでなく、モデューロXならでは足まわりセッティング、タイヤの銘柄変更、そして本格的な空力性能を持つエアロパーツの効果絶大なのである。
よって、高速クルージングでの走りの気持ち良さ、山道でのホットハッチと呼ぶにふさわしい走りの質感、楽しさをわがものにできるというわけだ。それでいて、見た目の過剰なスポーツ度は最小限。これなら家族の反対もまず出ないはずで、普段はファミリーカー、週末はドライバーの楽しみとしてホットハッチに変身。もちろんe:HEVだから燃費もばっちり(ベース車の走りの素性も文句なし)。まさに、柴犬の皮を被った、運動神経抜群のポーターコリーやジャックラッセル的!?“隠れ”コンプリートカーというわけだ。