GTO R73-XにはR69Bエンジンが搭載
最後に、搭載されたエンジンについても触れておきましょう。モーターショーに出展されていたGTO R73-Xには、新たに開発された2L直4ツインカム16バルブのR69Bエンジンが搭載されていました。これは1970年代序盤の日本グランプリにおいてF2000(事実上はF2)クラスに参戦していた三菱の、主戦マシンに搭載されていた純レーシングエンジンのR39Bを市販モデル用にチューンし直したものですが、ここに至るまでにも(GTOの後継モデルに向けて)さまざまなエンジンが候補に挙がったと伝えられています。
曰く1972年に登場した1.85L~2.6Lをカバーする直4OHCで“アストロン”の愛称を持った4G5型が候補に挙がり、また1970年に登場していた2Lの直6OHCで“サターン6”の愛称を持った6G3型も候補に挙がったとも伝えられています。
個人的にはR69Bを搭載したGTOをドライブしてみたかったです。ゴールドのカムカバーとソレックスのツインチョークタイプを2連装したエンジンは見ているだけでも満足できそうだった気もしますが、現実的には排気ガス規制の適合も含めてコスト的に折り合わないであろうことは明白なので、それも仕方なかったのでしょう。
ちなみに、GTO(とギャランの2ドアハードトップ)の後継に位置づけられて1876年に登場したギャランΛは、サイレントシャフト付きの“アストロン”を搭載していて、その辺りにもGTO R73-Xの存在意義が感じられます。