大半はSUVが人気でスポーティ車が好きな人は少数派
こうした販売店の位置付けの違いから、アメリカの場合、SOAとしてはBRZやWRXなど個別モデルへの対応ではなく、スバル車全体の卸売り販売を円滑に行うため、販売店に対してスバルが北米市場を重視している姿勢を示す必要がある。
一般的にアメリカのモーターショーは、ディーラーショーと揶揄されるなど、メディア向けお披露目というよりは、販売店幹部の新車仕入れ商談の場という役割が大きい。一方で、視点をマーケティングに移すと、現状で北米でのスバルブランドのイメージは、フォレスターとアウトバックが牽引するアウトドア系がいまだに強く、WRXやBRZなどスポーティイメージは少数派と言わざるを得ない状況だ。
とくにSTIについては、独立したブランドというより、モデルグレードのひとつという認知に留まっており、こうした状況を打破するためにもS209を北米専用で導入している。この点について、筆者はSTIの平岡泰雄社長から三鷹のSTI本社で直接お話を聞いている。
こうした各種事情があるとはいえ、スバルの北米市場優先の事業戦略が成り立つのは、アメリカ人にとってスバルが優れた日本企業だという認識があり、それゆえに、商品の品質の高さはもちろんのこと、スバルのクルマ造りへのこだわりを十分に理解していることが大前提にある。
日本のスバルファンにおかれては、アメリカを含めてグローバルでスバル車が深く愛され、大切に乗り継がれることを誇りに思うべきだと思う。新型WRX日本仕様の登場をじっくり待ちたい。