この記事をまとめると
■青木三兄弟の長男・宣篤氏と三男・治親氏のプロジェクト
■今回は全盲の方を含めて5名が参加
■万全の体制でアクシデントもなく全員が笑顔に
SSPパラモトライダーが順調に誕生中
レーシングライダーとして世界で活躍した青木三兄弟の長男・青木宣篤選手と三男・治親選手のふたりが立ち上げた、一般社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)。次男・青木拓磨選手の障がいからのライダー復活をきっかけに、事故などで障がいを抱えてしまって、2輪車を諦めた人に再びオートバイに乗ってもらい、オートバイに乗る趣味を一緒に楽しんで行けるように、昨年6月から一般の障がいのある方を対象とした「パラモトライダー体験走行会」を開催している。
下肢に障害があってもバイクを楽しめるシステムを搭載
SSPでは、下半身不随の障がい者でも乗車が可能となる補助システムを搭載したバイクを製作した。制御の利かない下半身は、両腿を制御するシートベルト、そしてライディングブーツとバイクのステップをビンディングで接合。そして、停車時・走行開始時に自立しないバイクを支える数多くのボランティアスタッフが支えることでライディングを可能にし、このパラモトライダー体験走行会を開催してきている。今回もSSPのサイドアシスト車(アウトリガー補助輪付きの小型車両)と、シフトべダルにアクチュエーターを取り付け、シフト操作を手元で行なえる仕様となったMVアグスタ・ストラダーレ800&ドラッグスター、BMW F750GS&R1250Rが用意されている。
バイクへの情熱を持った5名が参加してくれた
この体験走行会は以前までは脊椎損傷によって車いす生活を余儀なくされた参加者ばかりだったが、今回の走行会には、5名の参加者が来場した。Th12-L1の脊椎損傷による下半身の完全麻痺の2名、古谷 卓さんと長田龍司さん。大腿切断による義足の2名、丸野飛路志さんと諸隈有一さん(ともに初参加)。そして7月に開催した会で、初めて参加した盲目の縫田政広さんとなる。
この日、途中からの参加となった盲目の縫田さんについては、前回自動車教習所での走行の確認はできており、パドックを利用して、コーナリングの確認を経て、ついに本コースデビューとなった。念のためアウトリガー付きの車両を使用し、搬送車両はバイクではなく車両を使用。インカムで進行方向や曲率を指示しながらコースを一周した。途中コースアウトする場面もありスタッフに緊張が走ったものの、無事にコースを周回した。
周回を終えた縫田さんは「すごく緊張しました。でも、後ろから皆さんがしっかり指示してくれて安全に走ることができました。本当に皆さんには感謝しかありません。感謝、感謝です! そして、また乗りたいです!」と感想を述べてくれた。
サイドスタンドプロジェクト(SSP)「パラモトライダー体験走行会」、次回は9月19日(日)に群馬県自動車教習所での開催を予定している。参加ボランティアも募集中だ。