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「アルファロメオ」「サーブ」「フィアット」「ランチア」! メーカーの垣根を越えた夢の「4兄弟」プロジェクトとは

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人/トヨタ

4車がそれぞれのブランドの味を表現しきっていた

 ティーポ4(クワトロ)プロジェクト。そう聞いて「そういうのがあったよなぁ」と懐かしく思う方は、こだわり派の輸入車マニアかもしれない。最近でこそ自動車メーカーの垣根を越えた協業は決して珍しくないし、資本提携によってA社のクルマをB社のクルマとして仕立て直して自社のラインアップに用意する……そんな例は、よくあることだ。

 かつてW124のころのメルセデス・ベンツ500EのV8エンジンはポルシェが手がけた例もあったし、近年ならトヨタのGRスープラとBMW Z4、トヨタGR 86とSUBAR BRZといった例もある。

ティーポ4プロジェクトとは?

 おさらいをしておくと、最初(1979年)にスウェーデンのサーブとイタリアのランチアが合意、さらにフィアット、アルファロメオが加わり、この計4社で効率的にアッパーミドルクラスの新型車の開発を行うことにしたのが、このティーポ4プロジェクトだった。

 当時の欧州、北米市場で人気のあったメルセデス・ベンツ(W123)、BMW5シリーズ(E12)らと同じセグメントのクルマの投入を計画。今でいうプラットフォームを共用化することで開発コストを抑える効果を狙った。とはいえ“土台”は同じながら、ボディはもちろん、エンジン、サスペンションなどは(結果的に)各社独自とすることで、ブランドごとの個性、アイデンティティは保たれた。

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