トヨタ・オリジン
トヨタでは1955年に初代クラウンに「観音開きドア」を採用。 それから45年後、その初代クラウンをモチーフに、トヨタが「累計生産1億台突破」を記念して2000年に1000台を限定生産した「オリジン」も、観音開きドアを継承した。トヨタではSUVのFJクルーザー(2006年~2018年)にも「観音開きドア」をチョイスしていたし、初代ヴィッツのプラットフォームを流用したピックアップトラック「bBオープンデッキ」も「観音開きドア」だった。
日産タイタン
ピックアップトラックといえば、日産タイタン(初代)なども「観音開きドア」があった。
アメリカの自動車メーカー以外では、初めてのフルサイズピックアップトラックとして登場。キングキャブ車に観音開きドアがあり、北米ではけっこう人気があった。 アメリカ車ではもう一台人目を引いたのは、高級車リンカーンの「コンチネンタル・コーチドア」というのもあった。
これは量産車というより、職人が一台一台「観音開きドア」仕様に改造する特装車のような存在だった。
ホンダ・エレメント
ホンダエレメントはUSホンダが生産したクロスオーバーモデル。生産台数は32万5000台以上といわれているが、日本では約2000台しか売れず、不人気モデルだった……。
ミニ・クラブマン
シューティングブレイクとして用意されたミニのクラブマン(二代目)も、右側のみセンターピラーレスの「観音開きドア」という仕様。 ぱっと見、2ドアに見える「観音開きドア」の特長を活かしたデザインでもある。ちなみにクラブマンは、リヤゲートも「観音開きドア」。つまり、ダブル「観音開きドア」ということになる。
ちなみに、日本では、360cc時代の軽自動車、スバル360や三菱の初代ミニカも「観音開きドア」の前兆とも言えるサイド一枚ドアのスーサイドドアだった。 そう言えばイギリスの「ロンドンタクシー」も、「観音開きドア」という伝統がある。 「観音開き」には流行に流されるものではない、乗り降りへの配慮が連綿と続いている、ということが言えるのではないのだろうか。