最新技術を採用しながらオリジナルのスタイルを踏襲
このような輝かしいプロフィールにリスペクトしたのが、現代に蘇ったアバルト1000SPだ。もともとは2009年に発表されたプロジェクトで、オリジナルの誕生55周年を記念して、2021年にたった1台だけ作られた。
まず特徴となるのはやはり軽量で、鋼管フレームではないが、カーボン製のセンターセルやアルミをふんだんに使っている。さらに空力に関してもオリジナルのスタイルを踏襲しつつ、現代の最新技術を採用することで、さらに磨き上げたものになっているという。
エンジンについてはさすがにNAの小排気量というわけにはいかず、1742ccの直4ターボ、つまりアルファロメオ4C譲りの240psを発生するものを搭載している。デザインは少々マッチョになっているが、往年の1000SPを彷彿とさせるもので、オリジナルの持ち味をうまく表現したセンスのいいもの。
フロントやリヤのディテールもうまく再現している。各地のイベントに登場するとのことなのだが、たった1台というのは残念なところ。アルファロメオの4Cはすでになく、ブランドは違うものの、その代わりとして市販化すればけっこう売れると思うのだが、今後の動きに注目だ。