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イギリスの「ケンカレース」で善戦! ワゴンのレヴォーグなのに「意外な戦闘力」を持つ理由

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TEXT: 廣本 泉(HIROMOTO Izumi)  PHOTO: 廣本 泉

  • タイヤを落としながら走るレヴォーグ

  • 片田舎の雰囲気を漂わせるクロフトサーキットを疾走するレヴォーグ
  • 隊列の先頭を走るレヴォーグ
  • NGTCにより駆動方式はFR
  • ホイール・トゥ・ホイールなBTCCのバトル
  • 迫力の接近戦が世界中から愛されるBTCC
  • インリフトするレヴォーグ
  • 低重心を活かした高いポテンシャルのレヴォーグ
  • レヴォーグvsカローラ
  • 高いポテンシャルでトップを走るレヴォーグ
  • ドライバーのアシュリー・サットンとセナ・プロクター
  • ピットに並ぶホンダ・シビックタイプR
  • ピット前に並ぶレヴォーグ2台
  • ブリスターフェンダーが迫力のレヴォーグのリヤ走り
  • トヨタ・カローラ
  • ホンダ・シビックタイプR
  • スバル・レヴォーグ
  • レヴォーグの走り(横)
  • タイヤを落としながら走るレヴォーグ
  • レヴォーグ迫力の走り
  • BMW 330i Mスポーツ
  • アウディS3サルーン
  • ホンダ・シビックタイプR
  • メルセデス・ベンツAクラス
  • BMW3シリーズ
  • ルーフのスポンサーロゴラッピング
  • ダンロップ・スポーツMAXレース用タイヤ
  • レヴォーグの幅広のフロントフェンダーダクト
  • より低い位置に搭載したFA20DIT
  • フォード・フォーカスST
  • ピットに並ぶBTCC参戦車両
  • ピットインするレヴォーグ
  • ピットに並ぶレヴォーグ
  • 迫力のエアロを装着するレヴォーグ
  • フォルクスワーゲンCC
  • レヴォーグのコクピット
  • レヴォーグの大型リヤウイング
  • レヴォーグのボディサイド
  • BMRのモーターホーム
  • APレーシング製ブレーキフロント
  • APレーシング製ブレーキリヤ
  • コクピットに座るセナ・プロクター
  • BTCCに参戦する日欧のマシン

2016年からスバル・レヴォーグがBTCCに参戦

 SUBARUファンの諸兄なら、BTCCことブリティッシュ・ツーリングカー・チャンピオンシップをご存知のことだろう。文字どおりイギリスのツーリングカー選手権で、1958年の設立以来、独自の発展を遂げてきた伝統のシリーズだ。

 60年以上の歴史を誇るBTCCの特徴が独自のレギュレーションを採用していることで、2014年からNGTC(ネクスト・ジェネレーション・ツーリングカー)を導入。 主力モデルは、2.0Lの直噴ターボエンジンを搭載した2輪駆動車で、開発コストの高騰を抑制すべく、多くの部分でワンメイクコントロールを採用している。ホイール・トゥ・ホイールなBTCCのバトル 具体的にはタイヤやブレーキシステムはもちろんのこと、ターボチャージャーやECU、ギヤボックスやサスペンション形式、ダンパーほか前後のサブフレームに至るまで、多くの部分でワンメイクになっていることがNGTC規定のポイントだ。

 とはいえ改造範囲は広く、サスペンション形式が前後ともにダブルウイッシュボーンに統一。「TCRのようにコンペティションではないけれど、BTCCのNGTCはTCRよりもリアルなレーシングカー」と語るのは、とあるBTCC関係者。その言葉通り、BTCCのマシンは究極のツーリングカーと言える。インリフトするレヴォーグ

 このレギュレーションに対応すべく、数多くのコンストラクターが独自のマシン開発を実施。その結果、BTCCの車種ラインアップは多彩で「BMW330i Mスポーツ」や「アウディS3サルーン」、「メルセデス・ベンツAクラス」、「フォード・フォーカス」「フォルクスワーゲンCC」などの欧州車から、「ホンダ・シビックタイプR」「トヨタ・カローラ」など、日本車も含めたさまざまなマシンが参戦している。ピットに並ぶレヴォーグ

 そのなかでもっとも注目を集めているマシンが、イギリスの名門コンストラクターで豊富な実績を持つトップチームのBMRが投入する「スバル・レヴォーグGT」だ。

初出:SUBARUマガジンvol.23(2019年8月発売)

名門チーム「BMR」が英国でも人気のレヴォーグでBTCCに参戦

 BMRはこれまでフォルクスワーゲンCCを武器に数多くの勝利を挙げてきたチームで、2016年から主力モデルをレヴォーグ(VM系)にスイッチ。その理由についてチーム代表のミッキー・サージェントは、「イギリスで人気があるSUBARUとともに、新しいチャレンジをしたかった」と語る。レヴォーグの走り(横)

 当初はツーリングワゴンであるがゆえに、空力面での不利が囁かれ、苦戦の展開が予想されていた。だが、BMRのレヴォーグはデビューイヤーの2016年から抜群のパフォーマンスを披露。4名のドライバーで計6勝をマークする好成績を収めた。さらに2017年には移籍したばかりの若きエース、アシュリー・サットンが6勝をマークし、最年少となる23歳でチャンピオンを獲得した。

 残念ながら2018年は連覇こそ果たせなかったが、アシュリー・サットンが計6勝をマークするなど、レヴォーグは伝統のBTCCにおいてライバルを凌駕するパフォーマンスを見せたのである。

低重心化できるフラット4搭載がアドバンテージに!

 このようにスバル・レヴォーグは5ドアのツーリングワゴンでありながら、BTCCでも大成功を収めている強さの秘密はどこにあるのだろうか? チーム代表のミッキー・サージェントは「BTCCはワンメイクコントロールが多いので、ボディ以外は他のマシンとほとんど変わらない。大きなアドバンテージはないよ」と話す。レヴォーグのコクピット

 事実、レヴォーグにもXトラック製のギヤボックスやペンスキー製ダンパー採用のダブルウイッシュボーン式サスペンションがインストールされるほか、APレーシング製のブレーキシステムやダンロップ製のタイヤを装着。APレーシング製ブレーキフロント パワーユニットはSUBARU伝統の2.0L水平対向エンジン「EJ20ターボ」と言いたいところだが、NGTCでエンジンは直噴ターボと規定されているため、FA20DITを搭載する。このベースエンジンをBMRがチューニング。ターボチャージャーにコモン・オーウェン・デベロップメント製、ECUにコスワースが採用されるなど、いずれも指定部品でマネジメントされていることから、前述のサージェントによれば「エンジンパワーも各マシンともに350psぐらいで大きく変わらない」とのこと。より低い位置に搭載したFA20DIT

 とはいえ、スバル・レヴォーグは確実にライバル車両に対するアドバンテージを持っており、「レヴォーグの武器はエンジンの搭載位置がライバルよりも低いことにある」とサージェントは分析。さらに「5ドアのハッチバックながらエアロダイナミックスもいいと思う。重量配分を含めてバランスのいいクルマ」と語る。ブリスターフェンダーが迫力のレヴォーグのリヤ走り

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