7番手スタートで12位フィニッシュ
アメリカでもっとも人気のあるカーレースであるストックカーシリーズである「NASCAR(ナスカー)」。その「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」という3大カテゴリーのうちのひとつ、トラックシリーズに長年挑戦を続けている「HATTORI RACING ENTERPRISES (HRE)」は、ナスカー界で唯一の日本人オーナー服部茂章率いるチームだ。今季もトラックシリーズに参戦し、好調にシーズンを進めてきて、プレイオフに進出している。
そのシーズン17戦にして、プレイオフ ラウンド・オブ10の2戦目の舞台となるのは、サウスカロライナ州ダーリントンにあるダーリントン・レースウェイだ。1周1.366マイル(2.186km)、第1・2コーナーと第3・4コーナーの曲率が異なり、バンク角もそれぞれ25度、23度ついているプログレッシブバンク(外側に行くほどバンク角がきつくなる)を採用したオーバルコースである。
今回のレース「In It To Win It 200」も、フリー走行と予選は行われず、決勝レースのみを行うレースフォーマットに。決勝グリッドは前戦のレース結果からの抽選により、HREの「#16 IBARAKI TOYOPET TOYOTA TUNDRA」を駆るオースティン・ヒル選手は7番グリッドからスタートを切ることとなった。
第1ステージの結果は振るわず
アメリカ東部時間9月5日(日)、午後1時30分にスタートした今回のレースは、第1ステージが45周目、第2ステージが90周目の各チェッカーの後、最終ステージ147周目のゴールを目指す。
序盤からスピードが上がらず苦戦を強いられる16号車だったが、15周目に出されたこの日最初のイエローコーションでチームはピットインを指示し、マシンチェックと共にサスペンションに調整を加える。33番手でコースに戻り再スタートしたヒル選手は、ここで22位まで順位を上げて第1ステージのチェッカーを受ける。このステージブレイクのイエローコーションでマシンに大幅な調整を加え、16号車は17番手から第2ステージを迎えることになる。
再スタートとともにアウト側から果敢に前車の攻略を試みるヒル選手だが、やはり思うようにスピードが上がらず15番手前後での周回が続く。チームは69周目に出されたイエローコーションで再び大幅なマシン調整を加えるために16号車をピットに戻す。ここで今までにない大幅な変更をマシンに加えたものの、ハンドリングの改善には繋がらず、15位で第2ステージのチェッカーを受ける。
ここまでステージポイントを獲得できていないことから、チームは給油とタイヤ交換に加えスピードアップを目指して更なる大幅な変更をマシンに施し、16号車を送り出した。最終ステージを14番手でスタートした16号車は、マシンのハンドリングに改善の兆しが見え、着実にポジションを上げていく。