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「王者アルファード」に惜しくも及ばず! 強敵「国産Lクラスミニバン」4選

Lクラスミニバンの王者アルファード&ヴェルファイアの強敵を振り返る

 高級ミニバンの王者と言えばアルファードであることは多くの人が認めざるを得ないでしょう。事実2020年の新車販売ランキングではミニバントップとなっており、普通乗用車の中でも5位に着けています。

 もはや独走状態となっていますが、ストップ・ザ・アルファードに奔走したライバルたちを振り返ってみましょう。

日産エルグランド

 現在も販売されているエルグランドはアルファードよりも前となる1997年に登場した、元祖高級ミニバンとも言えるモデルです。

 現行となる3代目は2010年に登場し、2度のマイナーチェンジを経て現在に至ります。

 エルグランドは「最高級新世代1BOXの提案」というまさに高級ミニバンと呼ぶにふさわしいコンセプトを基に開発され、存在感を主張するスタイリングと、高級感あふれる広々とした室内空間を持って登場しました。それまでこのような特徴を持った3列シートミニバンは日本車にあまりなく、このコンセプトが市場に受け入れられ、登場から19カ月で10万台が生産される大ヒットを記録。

 このヒットをきっかけに、各メーカーが高級ミニバンの企画と開発に着手するようになりました。エルグランドの大ヒットが無ければ王者アルファードも誕生しなかったかもしれません。

ホンダ・エリシオン

 日本市場におけるホンダの上級ミニバンと言えば現在ではオデッセイのイメージが強いかもしれませんが、過去にはエリシオンというオデッセイよりも上級に位置するミニバンがありました。それまでアメリカ市場向けの高級3列シート車であるラグレイドを販売していたホンダですが、日本市場では大きすぎるボディサイズなどがネックでした。

 そこでオデッセイよりも大きく、ラグレイドよりも小さな日本市場でのフラッグシップミニバンとして、2004年に登場したのがエリシオンです。「新世代プレミアム8シーター」というコンセプトを基に開発されたエリシオンは、すべてのシートに上質さを追求し、当時のホンダの先進技術が余すことなく注ぎ込まれたモデルです。ホンダは当時CMでミニバンの車種を室内空間と安定性を両立した「低床低重心ミニバン」とアピール。

 この考えはエリシオンにも採用されており、独自のプラットホーム技術によって低くフラットな床を実現し、広々とした室内空間を確保していました。このようなアプローチが現在のホンダ思想である人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小にというM・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想に繋がっていったのでしょう。

 現在日本市場では販売されていませんが、中国市場では2代目へとフルモデルチェンジし、販売が継続されています。

日産プレサージュ

 日産はエルグランド以外にも別のアプローチで高級ミニバンの方向性を示しました。その答えが1998年に登場したプレサージュです。高級クルーザーをイメージして開発されたプレサージュは高級感のある質感の高い広々としたインテリアを持ちつつも、走りに関する装備やメカニズムも充実していて、本格的なグランドツーリング性を実現していました。

 2003年には電動スライドドアを採用し2代目へとフルモデルチェンジ。シートアレンジの幅が広がり先代よりも使いやすさ重視されました。そう聞くとミニバンであってもスペシャリティなイメージがあった先代より生活感が出てしまったのかと思われるかもしれません。

 しかし、全高がスライドドア3列シート車としては低めの1685mmに設定され、セダンモデルと共有の新世代プラットホームを採用するなど、初代と同様に本格的なグランドツーリング性能に関しても抜かりはありませんでした。

トヨタ・エスティマ

 アルファードと同門ではありますが、アルファードに勝てなかった高級ミニバンという点ではエスティマにも注目すべきでしょう。1990年に初代が登場したエスティマですが、当時はまだミニバンという言葉が浸透していなかったためか、トヨタはエスティマを「新型高級サルーン」と銘打って発表しました。

 ミッドシップレイアウトを採用することにより、スライドドアを装備した3列シート車としては高い走行性能を実現。また室内は繋ぎ目の少ない質感の高いインパネまわりや当時としては珍しい専用のサウンドシステムを装備。走りも装備も高級サルーンと呼ぶにふさわしいものでした。

 2代目以降はFFレイアウトとなりますが、防振サブフレームの採用や随所に制振、遮音材を配置するなどといった取り組みにより、サルーンと呼ぶにふさわしい静粛性を実現しています。2019年まで販売されることとなった3代目は2006年に登場。

 プラットホームやサスペンションを一新し、ボディ剛性を高めることでミニバンとしてはトップレベルの操縦性と走行安定性、そしてしなやかな乗り心地を追求していました。

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