簡単だと思っていたエンジン載せ替え作業に難航
すったもんだしたあげく、ようやく作業がスタート。ところが、当初簡単だと思われていた作業が、意外と難しいことに気が付くまで時間はかからなかった。
「エンジンのドナー車はAE86の前期型GTVでしたが、バラしてみるとAE85と全然構造が違うことがわかったんです。エンジンだけでなく、トランスミッション、プロペラシャフトも。挙げ句の果てに燃料タンクも違う。燃料タンクも異なるということは、燃料配管も別物」
つまり、ボディは一緒でも中身が別物だったのだ。贅沢な時代のクルマというべきか。結果的にはボディを残して機関系をほぼ全部取り外して移植する大手術に発展してしまう。
「インテリアもAE85のSRをベースに、メーターはGTVをそっくり移植し、劣化していた箇所はショップのストックしていた中古パーツを組み合わせています。グレード不明車になっていると思います」
思わず笑みがこぼれるAE85改ハチロクのハンドリング
そんなわけでハチゴー改ハチロクとのカーライフが始まった。元々田村さんは新車で手に入れたプリメーラでサーキット走行もしていて、走ることは嫌いではない。そこでプリメーラは仕事の足にして、走って遊ぶときはAE85を使うことにした。
「AE85のサスペンションを少しハードなタイプに交換して、ミニサーキットを中心に走りにいくようになりました。ガチガチのサーキット仕様ではなく、たまには仕事でも使うので、乗り心地も考慮して。サーキットを走るときは15インチタイヤにして、普段は14インチに交換してます」
また、AE85はボディがコンパクトなので、田村さん曰く「街乗りも楽」だという。
「忙しくなるとプリメーラで動くことが増えますが、AE85も乗らないと調子を崩してしまうので近所で買い物する際に乗ったりもします。ちょっと動かすだけでも楽しいし、クルマと対話しているようで、思わずニマニマしてしまいます。打ち合わせで都内に行ったときでも、狭いコイン駐車場でも困らないのもいいですね」