生産台数をアップさせているがそれでも追いつかず……
そしてジムニーの届け出台数は、2018年7月に登場した直後は1カ月平均で約1900台だったが、2021年1〜8月は約3200台に達する。発売当初に比べると、生産台数を1.7倍に増やしたが、それでも納期は縮まらない。
ユーザーとしてはさらに増産してほしいが、実際は難しい。増産には投資が必要で、なおかつ将来の売れ行きが下がると、余剰な生産設備を持つことになるからだ。増産したら、そのペースを保つ必要がある。
ジムニーの生産規模は現状が限界で、今後も納期の遅延が続きそうだ。この状況は、ユーザーの不満の裏返しでもある。各メーカーともに商品開発が海外向けになり、200万円前後で購入できる魅力的で、個性も備える小型車/軽自動車が大幅に減った。欲しいと思える車種がジムニーしかないから、1年に達する納期も我慢している。
自動車メーカーは「なぜ日本でジムニーがここまで人気を高めたのか」を真摯に研究すると良いだろう。日本向けの商品開発で、良いヒントが得られるに違いない。