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山下達郎のTV CMが印象的だった! 歴代「インテグラ」をカタログで振り返る

2代目には“タイプR”も設定された

 4輪のインテグラの初代モデルは“クイント・インテグラ”の通称名で登場した。というのも、前身にあたる、2代目シビックの4ドアセダン版だった“バラード”→5ドア版の“クイント(欧州名=クインテット)”の流れを受けた、その後継モデルだったからだ。

 写真は第24回東京モーターショーのホンダブースで配布されたパンフレットの1ページ。前身のクイントは“行動派のFF5ドア・スポーティハッチバック”のタイトルとともにあしらわれた写真があらわしていたとおり、若いユーザーのアクティブな用途にも叶う実用車……そんな打ち出しだった。

TVCMが印象的だった初代インテグラ

 ところで今回の本題、インテグラの歴代モデルだが、やはり印象深かったのは初代だったように思う。登場は1985年2月でこの年のホンダ車は、大人気だった2代目プレリュードをはじめ、リトラのアコード/ビガー、ワンダーシビック、初代シティと秀作揃いだった。 そのなかで、シビックとアコードの間を埋める車種としてインテグラは登場。とりわけTVCMが印象的だったがヤマタツ(山下達郎)の起用で、最初の書き下ろし曲だった「風の回廊(コリドー)」に始まり、「僕の中の少年」「FIRST LUCK〜初めての幸福〜」「マーマレード・グッドバイ」と、ノリにノったヤマタツの楽曲と爽やかな映像。今でも曲を聴くと初代インテグラのCMが思い浮かぶ……そんな人は少なくないのでは?

リトラクタブルヘッドライトを採用した初代モデル

 初代インテグラは、ワンダーシビックのコンポーネンツをベースに3ドア=2450mm(=シビック4ドアセダン、シャトル)から登場。追ってホイールベースを2520mmに伸ばした5ドア(同年11月)、4ドアセダン(1986年10月)を用意し、全3タイプのボディを揃えた。 4ドアセダンはリヤまわりのデザインが大きく異なり“ミニ・ビガー”風の落ち着いた趣ながら、リトラクタブルヘッドライトなどは3/5ドアと共通としていた。当初は全車DOHC(1.6LのZC型のキャブレター仕様、PGM-FI仕様の2機種)とし、4ドアセダン登場時に1.5L SOHCを設定。 実車の走りは、決してCMに感化された訳ではなかったが言葉で表現するとじつに爽快なもので、クラッチの反力にやや癖があったものの、3ドアMT車の活き活きとした走りをみせた。

初代よりもラグジュアリー路線に振った2代目

 2代目は1989年4月に登場。この世代から車名が“インテグラ”になった。ボディタイプは初代のイメージを発展させた3ドアと、サッシュレスタイプの4ドアの2タイプを設定した。全幅は5ナンバーいっぱいの1695mmに拡大し、全長、ホイールベース、トレッドなども初代よりもひとまわり大きくなった。スタイリングは、薄いノーズと超幅広のヘッドライトを特徴とし、初代よりもラグジュアリー路線に振った印象だ。 マイケル・J・フォックスを起用した“かっこインテグラ”のCMをご記憶の方も多いかもしれない。搭載エンジンには、VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)を採り入れたZC型1.6L・DOHCを筆頭に1.6Lのデュアルキャブ仕様、PGM-FI仕様のほか、途中、4ドアに1.8LのDOHC(PGM-FI)が追加された。この世代では、サスペンションは4輪ダブルウイッシュボーンに一新されている。

3代目には最初で最後となった4WDモデルも設定

 3代目は1993年5月に3ドアクーペが登場、直後の同年7月に4ドアハードトップがお目見えした。外観では丸型4灯ヘッドライトを特徴にデビューするも、よほど目を点(!)にしたユーザーが多かったのか、2年+の1995年8月にオーソドックスなデザインに変更。 ただし3ドアのSiR・IIのみ変則的に“丸型4灯ヘッドライト仕様”とカタログに表記してしばらく残された。メカニズムでは、4ドアハードトップにインテグラでは最初で最後となった4WDモデルも設定している。

エンジンに専用チューンが施されたインテグラ・タイプR

 そしてこの3世代目時代、1985年8月に初登場(発売は同年10月)となったのがタイプRだ。NSXタイプRに続き深紅のエンブレムが与えられたこのインテグラタイプRは、リッターあたり111ps、最高出力200ps/8000rpm、最大トルク18.5kg-m/7500rpm、パワーウエイトレシオ5.3kg/ps(3ドア)を発揮する“1.8L DOHC VTEC B18C 96 SPEC.R”を搭載。 このエンジン自体、モリブテンコーティングの低フリクション高圧縮比専用ピストン、フルバランサー8ウェイト高剛性クランクシャフトなど60カ所にわたる専用パーツを採用。機械式のトルク感応型ヘリカルLSD、クイックレシオのステアリング、クロスレシオ5速MT、サスペンションの専用チューンなどが施された熱いモデルに仕上げられていた。

カタログの表紙からタイプR“推し”だった2代目インテグラ・タイプR

 そのタイプRは、3代目終盤の1999年に登場した装備を充実させたタイプRを経て、2001年7月に4代目へとフルモデルチェンジを果たした4代目にも引き継がれた。というよりも4代目では最初のカタログの表紙の写真からタイプRが“推し”となっていたほど。搭載エンジンは新たに2LのDOHC i-VTEC(K20A型、ハイオク仕様)を搭載。 VTC(連続可変バルブタイミング・コントロール)を組み合わせ、220ps/8000rpmの最高出力と21.0kg-mの最大トルク(ネット値)を達成。クラス世界初だったマルチコーンシンクロの6速MT、超軽量鍛造クロモリフライホイールほか、brembo社共同開発ブレーキや、アルミシフトノブ(先代はチタン)、モモ社製360mm径ステアリングホイール、レカロシートなど、オーナーがドライビングを堪能するための設えでまとめられた高性能モデルだった。

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