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コルベットはなぜオールドファッションな「OHV」を採用し続けるか? アメリカならではの「理由」とは

投稿日:

TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: Auto Messe Web編集部

  • コルベット・スティングレーに搭載の6.2L V8 OHVエンジン

  • コルベット・スティングレーに搭載の6.2L V8 OHVエンジン(俯瞰)
  • コルベット・スティングレーに搭載の6.2L V8 OHVエンジン
  • コルベット・スティングレーに搭載の6.2L V8 OHVエンジン カットモデル
  • コルベット・スティングレーに搭載の6.2L V8 OHVエンジン単体
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  • コルベット・スティングレーに搭載の6.2L V8 OHVエンジン
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  • 6.2L V8 OHC HEMIエンジン(単体)
  • 6.2L V8 OHC HEMIエンジン(カットモデル)
  • ホンダ製発電機のOHVエンジン(カットモデル)
  • トヨタS型サイドバルブ・エンジン
  • トヨタS型サイドバルブ・エンジン(カット図)

アメ車ではOHVが主流エンジンである理由とは?

 21世紀となった現在でも、アメ車にはオーバー・ヘッド・バルブ(以下、OHV)というエンジン型式が残されている。ガソリンエンジンの起源はサイド・バルブ(SV)エンジンになるが、このSVエンジンが大量生産に適していたことから一般的になったと記載されている。シボレースモールブロックV8エンジン その後、OHVやOHC、DOHCとエンジンは高精度化されていく訳だが、現在では旧態依然なOHVが北米では主流エンジンである理由を紐解いていきたい。

ガソリンエンジンの進化の歴史を振り返る

 前述の通りエンジンが生まれた当初はサイド・バルブ式であった。サイド・バルブ(以下、SV)はその名のとおり、吸排気バルブは燃焼室と並んで横に設置され、バルブの向きもOHVとは逆に傘部が上になるレイアウトであった。トヨタS型サイドバルブ・エンジン SVはシリンダーヘッドが単なる「ふた」にとどまるシンプルな形状がメリットであったが、横に長い燃焼室は熱損失が大きく、燃焼室が平べったくなるため圧縮比が上げにくい。さらに、混合気がスムースに流れにくい点などもあり、バルブをシリンダー上部に持っていくオーバー・ヘッド・バルブ(以下、OHV)が考案された。ホンダ製発電機のOHVエンジン(カットモデル) このOHVの特徴はロッカーアームとバルブ周りをシリンダーヘッド内に備えることで、カムシャフトの作動がシリンダーブロック内を通るプッシュロッドの上下運動で伝える構造となっている。そのためカムシャフトは従来どおりクランクの傍らにセットされ、燃焼室形状はボア径のサークル内で収められるようになり、コンパクトな燃焼室による高圧縮比、スムースなガス流などを実現。OHVの発明により、シリンダーヘッドの複雑高度化を急激に推し進めていった。

プッシュロッドの弱点を解消するOHVエンジンが登場!

 OHVはSVに対して優れた構造であったのだが、高回転になるとシャフトが長く重さのあるプッシュロッドがカムの作動に追従することができなかった。そのことからプッシュロッドを廃してカムシャフトをシリンダーヘッドに収めて、直接ロッカーアームを作動させるOHCが登場する。OHCエンジンのカットモデル OHCはクランクシャフトとカムシャフトの軸間が離れることからチェーンによる駆動が必要になるが、全域において非常に正確なバルブタイミングが得られるようになり、高回転化が可能に。ロッカーアームを介してバルブを駆動する構造や、タペットを用いて直接カムシャフトがバルブを押す直打式が現れたのもOHCからで、こうして振り返るとOHCが重用される理由がわかる。ホンダ1.5L 直4SOHC PGM-FIエンジン また、カムシャフトを2本にしたダブル・オーバ・ヘッド・カムシャフト(2本のカムシャフトを採用するためツインカムとも呼ばれる。以下、DOHC)へと進化を遂げ、さらなる高回転化やバルブ挟み角&燃焼室形状の自由度が高いDOHCが現在では主流となっている。

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