ルノー・カングー/シトロエン・ベルランゴ
とはいえ、非日常を楽しむアウトドアシーンにおいて、ステップワゴンやセレナでは日常感、生活感が出すぎてしまう。さらに、グランエースは普段使いを考えると大きすぎる……という声もあるはずだ。
そこで、ミニバンタイプでも非日常のアウトドアシーンにマッチしそうなクルマがある。輸入車ではあるものの、ルノー・カングー、シトロエン・ベルランゴといった、本国では働くクルマとして使われることが多い、2列シートのハイルーフなユーティリティカーである。
見た目のアウトドア感もバッチリで、アウトドアシーンに映える、センスのいい選択と言える。もちろん、荷物の積載もばっちり。観音開きドアを備えたカングーのスクエアなラゲッジスペースは後席使用時でも奥行き780mm、幅1160mm、天井高1220mmもある。
さらに前席、後席の天井にもオーバーヘッドコンソールを備えているから、大小の荷物の収納力に優れている。
カングーよりSUVテイストあるエクステリアデザインを採用しているのがシトロエン・ベルランゴ(プジョー・リフターも同様)。ディーゼルターボエンジンは力強く経済性に優れ、乗り心地はシトロエンならではの極上の快適さがある。
ラゲッジスペースは奥行き1020mm、幅1020mm、天井高1000mmと、極めてスクエアな空間で、大きな荷物の積載性にこだわっている。天井のデッドスペースにもオーバーヘッドコンソールがあるのも嬉しいポイントだ。そして何と言っても、アグレのベッドキットを用意。カラフルでコンパクトに畳め、オシャレなフレンチテイストあるアウトドアが楽しめるのだからゴキゲンだ!!
ホンダ・フリード+/トヨタ・シエンタFUNBASE
いやいや、ソロまたはカップルでのアウトドアだから、もっとコンパクトで、リーズナブルなミニバンがいい、というなら、番外編として紹介したい2台がある。それは、ホンダ・フリード+とトヨタ・シエンタFUNBASEである。ともに、フリード、シエンタの3列目席を取り払い、アウトドア、車中泊、大きな荷物の積載に適する2列シート仕様としたモデルであり、ズバリ、アウトドアでこそ威力を発揮するミニバン(3列シートではないが)なのである。
フリード+のラゲッジスペースは、開口部地上高335mm~、後席使用時の奥行き1035mm、後席格納時の最大フロア奥行き1600mm、幅1270mm、天井高975~1360mmもある。また、純正アクセサリーとしてアウトドア、車中泊用のアイテムが豊富に揃っているのも大きな魅力。2段デッキボードでラゲッジスペースを上下2段に分けて使える便利さも文句なしである。
一方、シエンタFUNBASEもアウトドアで大活躍してくれる2列シートのコンパクトミニバンだ。ラゲッジスペースの開口部地上高は530mm~、後席使用時の奥行き935mm、後席格納時の最大フロア奥行き1620mm、幅1060mm、天井高930~1100mm。
こちらも純正アクセサリーとしてアウトドア、車中泊用のアイテムが豊富に揃っている。デッキボードのハイ/ロー位置で、ラゲッジスペースを上下2段に分けて使える便利さもアウトドア向きと言っていい。
というわけで、アウトドアに乗っていくべきミニバンは、デリカD:5だけじゃない、ということがおわかりいただけただろうか。繰り返すけれど、国内のアウトドアフィールドは、一般的なミニバンの最低地上高、駆動方式でも無理なく辿り着ける、道もフィールドも整備された場所にあるということだ。