ブレーキは馴染みのあるVブレーキとディスクブレーキの2タイプあり
【クロスバイク】
クロスバイクにも高価なモデルにはディスクブレーキが採用され始めたが、まだまだ主流はVブレーキ。かつてはMTBに採用されることが多かったVブレーキは、2本のアームをテコの原理を用いて絞ることによって、ゴム製のブレーキシューがリムを押さえて制動する仕組み。構造がシンプルで調整しやすく、カンチレバーブレーキやキャリパーブレーキよりも制動力が高い。
【MTB】
現在のMTB用ブレーキの主流は油圧式のディスクブレーキだ。ホイールのハブ(回転軸)に取り付けられたディスクローターをブレーキパッドが挟みこむことで制動する仕組み。Vブレーキと比較して雨天でも制動力が落ちにくく、軽いタッチでもブレーキをしっかりとかけることができるし、コントロールもしやすい。悪路や急斜面を下るMTBにとってこの抜群の制動力はじつに頼もしい。
走るフィールドに応じてギヤの組み合わせや段数が異なる
【クロスバイク】
クロスバイクの場合はフロント3段×リヤ8 or 9段や、ロードバイクのようにフロント2段×10段が多いようだ。合計で20〜27段変速となり、登り坂や向かい風でも脚に負担をかけることなく細かく調整しながら走ることが可能だ。例えば現行のトレック7.4FXの場合、フロントが48/36/26T、リヤが11-13-15-17-19-21-24-28-32T。
【MTB】
オールマウンテン系のMTBはフロントシングル、リヤ11or12段がトレンド。変速数は少ないが写真のスペシャライズド エンデューロ エリート カーボン29はフロントが30T、リヤが10-12-14-16-18-21-24-28-32-36-42-50Tとワイドレンジだ。ギヤ比を計算しても明らかだが、簡単にいうとMTBのほうが軽いギヤが選べて、クロスバイクのほうが重いギヤを選ぶことができるということになるが、筆者がMTBで街乗りした感想だとこれより重いギヤはあまり必要と感じなかった。
MTBのハンドルバーはコントロール性が高いワイドバーがトレンド!
【クロスバイク】
ハンドル周りは構造上大きな違いはないが、クロスバイクのほうがハンドルバーが短く撮影車両は585mmだった。左の親指の位置にあるのがフロントのシフトレバーで右にあるのがリヤのシフトレバーだ。ロードバイクのようにドロップハンドルではないので、スポーツ自転車が初めての人でも違和感なく乗ることができるだろう。
【MTB】
MTBの場合もほぼ同様だが、ハンドルバーは760mm〜800mmのワイド幅がトレンド。撮影車両は駆動系のパートでも説明したようにフロントがシングルなので、シフトレバーが右側のみに装備される。左側のレバーはドロッパーシートポストのレバーだ。
最近人気のMTB装備「ドロッパーシートポスト」とは?
最近の完成車にも標準装備され始めた「ドロッパーシートポスト」は、手元のレバーでシートの高さを調整できるパーツ。レバーを押した状態で体重をかけるとサドルが下がり、サドルから体を浮かすと上がる仕組みだ。筆者の場合、登りと下りが混在するトレイルライドでとても重宝している。 登りでは一番高い位置にして立ち漕ぎのようなポジジョンで乗り、下りのセクションに入る前にサドルを一番低くし、急坂を下る時はスタンディングポジションで体重をサドルよりも後ろに移動させて下っている。その都度、停車させてサドルの高さを調整する必要がなく、走りながら柔軟にライディングポジションを変えることができる画期的なパーツだ。 MTBとクロスバイクは多段変速ギヤが搭載されていてフラットなハンドル、サイズ感も似ているが、それぞれ得意とするシーンが大きく異なる。自転車選びの際にはぜひその違いを理解して自分のライフスタイルに合ったモデルを選んでほしい。