旧いクルマはパーキングブレーキの効きが甘いことも
アルファロメオのエンジンは今も昔もトルクが細いため、坂道発進時には少々のコツが必要となるが、筆者の場合、いちいちパーキングブレーキを使っていたら、そっち方面のパーツにも負担がかかると思っているため、余計なトラブルを回避するためにパーキングブレーキを使うことなく坂道発進をしているのだ。 アルファ155で坂道発進する際に後続車が車間をつめすぎていたので、やむを得ずパーキングブレーキを引いたのにズルズル下がってしまったという悲しいエピソードも筆者の周囲で確認されている。
クラッチペダルが重たくて発進さえ苦労するクルマもある
そして、これは特殊な例だが、クラッチペダルが重すぎて、そもそも坂道発進をするのが超難しいスーパーSUVも存在している。そのクルマは何かというと、ハイパフォーマンス・オフロードカーとして知られるランボルギーニ LM002だ。 ウルフ・カウンタックことランボルギーニ カウンタック LP500S ウルフ・スペシャル ♯1と1988年式の5000QVをベースとし、細部に至るまで徹底チューニングした『イオタ』と呼んでいいスペックのカウンタックを愛用しているスペシャルショップ「アウトモビーリ ヴェローチェ」の岡戸栄一代表は、以前、LM002も所有していた。「自分が所有していたのは最終型で、ディアブロ・エンジン仕様のLM002だったのですが、クラッチペダルを踏み込むとシートの上でお尻が後ろへズルっと動いてしまうほど重たかったです。カウンタックもそれなりに重いんですが、それとは比較にならない重さでした」とは、岡戸さんのコメント。とにかくクラッチペダルが重いので、平地でさえ発進をするのが大変だったそうだ。 AT車しか運転したことがないドライバーさんには、坂道発進をアシストする機能のヒルスタートアシストを装備している近年のMT車ばかりではなく、パーキングブレーキが心許ない旧いMT車や、クラッチペダルが恐ろしく重いので坂道発進が大変な旧いMT車が存在していることを意識しながら上り坂を走っていただきたい。 旧車オーナーを代表し、旧いクルマでの坂道発進が想像以上に大変であることをお伝えしておく。