この記事をまとめると
■エアロパーツなど豊富な選択肢がある
■メーカー系ブランドでも充実
■手軽にイメージチェンジできるワンポイントアイテムも有効
身近なクルマ「シエンタ」に見るカスタムのあり方
「クルマをカスタムする」というセリフをよく聞くが、一体何をしたらいいのだろうかと最初は悩む人も多いだろう。そこで今回はファミリー層はもちろんのこと、取り回しのしやすさから女性にも人気のあるシエンタをモデルにして、その世界を覗いてみることにしよう。
シエンタのカスタムパーツ
せっかくお金をかけてカスタムをするのだから「ココが変わったぞ!」感が欲しいもの。ならば、エクステリアに手を出してみよう。まずはクルマの顔といえるフロント部分だけでもエアロパーツは数多くある。フロントバンパー下部に取り付けるフロントスポイラーは、車高が低く見えるだけではなく、ボディをワイドにも見せてくれるアイテムだ。 性能としては、前面から受ける走行風をどこに導くかを決める重要な役割を果たしていて、車体下部へ流すとダウンフォースが発生しやすくなり、ブレーキダクトやラジエーターへ流すと冷却性が向上してブレーキ性能とエンジン性能がそれぞれアップする。
ここではエムズスピードのエアロコレクションを例にして、フロントからリヤまで何点かパーツを挙げよう。
ハーフフロントスポイラーは左右に張り出しのある立体感のあるスタイル。フロント中央部はメッシュダクトになっているだけではなく、別体に見えるような形状に仕上げられている。前に3cm、下に2cm、タイヤハウスからは下に3cmに張り出しており、純正と比較すると迫力があるのは一目瞭然だ。と言いつつも、実用性を損なわない範囲でのサイズアップなので、普段通りの使い方であれば傷つける心配もないだろう。 また、ボディカラーとの塗り分けも可能で、デイライト周りをブラックに塗り分けることで、エアロの存在感もより引き立つのでオススメのカスタムだ。さらに、このスポイラーにはダクト奥にLEDデイライトが付いていて、オフ/オンで違った表情を見せてくれるのも魅力的である。
サイドステップは、下に2.5cmダウンしたデザインでフロントハーフスポイラーとボトムラインを合わせてあるので、セットで付けるのがベスト。横から見た時にローダウンをしたようなルックスに仕上がるのがポイントだ。 純正よりもボリュームは増すが、スライドドアの開け閉めや乗り降りには支障がないサイズ感が嬉しい。フロントハーフスポイラー同様に塗り分けが可能であり、より低く見せるのならブラックとの塗り分けをして後悔はしないだろう。性能面では左右のドア下に装着するパーツで、クルマのサイドを流れる空気を制御する。走行中に空気が抵抗にならないように後部へ流すほか、ボディの上面から巻き込んで車体下に潜り込もうとする流れを抑制し、車体の浮きを抑える効果が期待できるパーツだ。
リヤアンダースポイラーは、エムズスピードの4本出しマフラー(後述)装着あり/なし用2種類を設定しており、あり用はマフラー出口のスポイラーのカットがより深くなっている。あり用なし用共通点として、縦型6本のフィンが大迫力なデザインで、中央部分はメッシュダクトになっている。 リヤアンダースポイラーは、車体の下を流れて来た気流がバンパー内に滞留して抵抗にならないように効率良く排出してくれ、6本のフィンはデュフューザーの役割を果たしており、気流の流速を高めることで負圧が生じ、車体が路面に吸い付くダウンフォース効果を発生させて、車体の安定をもたらしてくれるのだ。 見た目だけではなく走行性能にも大きく関係してくるので、装着して走りの違いを感じてみるのも良いだろう。こちらも塗り分けることで低重心に見え、どっしりとしたバックスタイルにすることができる。サイズは中央部が後方へ3cm、下方へ7.5cm、タイヤハウスからは下方へ5.5cmサイズアップしている。オプションでバックフォグランプを装着でき、後続車への注意喚起になるとともに見た目のドレスアップにもつながるアイテムだ。
リヤウイングは、トランクリッド上部の左右を連結する板状のパーツで、板の断面は飛行機の翼を逆さまにしたような形状になっていることが多く、揚力を逆転させて車体を押し付け、低速でも強いダウンフォースを発生させる仕組みになっている。
エムズスピードのリヤウイングは中央を少し長めにしたデザインで、後方へ流れるようなラインがスポーティさを演出していることに加え、整流効果も期待できそうである。
カスタムをする順番に、こうしなさい! というものは特にはないが、機能性を重視するなら最初はフロントスポイラーからが良いだろう。気流の取り入れ口が重要な部分であるほか低価格で効果も得やすく、そのクルマの顔となる部分であるためカスタムした感が出るからだ。次にサイドステップ→ディフューザー→リヤアンダースポイラーやリヤウイングのように、気流が流れる順番に装着していくとバランス良く仕上がる。もちろん、見た目を重視するならどの順番でつけるのかはその人次第であるし、間違いはないので楽しみながらカスタムしてほしい。
シエンタはエントリーモデル以外はLEDヘッドライトが設定されていて、明るさに関しては申し分ないと言える。ハロゲンタイプであればHIDやLEDバルブに交換すれば光量がアップし視認性が高まるので、夜のドライブもより安心だ。
ではヘッドライトのカスタムはというと、青白く輝く高ケルビンのバルブに交換するのがもっともお手軽なドレスアップだろう。とは言っても好き勝手な色味にできるわけではない。どれくらいの色温度(ケルビン数)までなら車検を通るのかというと、これは検査員の主観による場合もあるので正確な数値化は難しい。一般的には6500K前後までが安全域で、7000Kに近くなると青さが濃く、グレーゾーンまたはアウトになるそうなので注意が必要だ。 カスタムショップではヘッドライトを加工したものを販売している場合や、オーナーの好みに合わせて加工してくれる業者もいる。例えば純正スモール部分のL型の部分を片側201発(両側402発)LED(オレンジ、ブルー、ホワイト、レッド)の4色の中から1色を選べたり、スモール連動・ウインカー連動・デイライト連動で点灯・点滅させたりすることも可能なものもある(AQUA、販売価格15万9500円)。
また、イカリングと呼ばれる丸い形状の発光器の取り付けを請け負っている業者もいるようだ。イカリングの車検対応に関しては、ショップと取り付ける際の相談、確認は必須となるが、検査員の判断基準によるところが多いのも事実。車検に通るものもあれば通らないものもあるという認識のもと取り付けるかどうかは決めたほうが良さそう。