今人気の第2世代GT-Rの維持費ってどれくらい?
中古価格の価格高騰化が止まらない第2世代GT-R。最後のR34に至っては1500万円を超える個体も出てきている。「人気がない」と言われるR33ですら600万円を超えた個体が珍しくなくなってきた。
だが、令和を迎えた現在、第2世代GT-Rを維持するのはどれくらいお金がかかるのだろうか? 実際に第2世代GT-RのR33を所有する筆者が実情をリポートする。
7年前にコミコミ100万円で手に入れたR33
筆者は7年ほど前、R33GT-Rを手に入れた。ちょうど消費税が5%から8%に上がったタイミングで、中古車市場は冷え込んでいた。本当は筆者も消費税が上がる前に手に入れたかったが「ボディカラーはミッドナイトパープルがいいな」と日和っていたら「タイミングを逸した」というのが正直なところ。
その後ご縁があり、車検を取得して乗り出し100万円ちょっとの個体を手に入れた。走行距離は10万kmを超えたばかりの極初期型で、程度は中の下といったところ。社外マフラーとナビがついていたくらいで、ほぼノーマルだった。
「え、安い!」と感じる読者は、おそらく比較的若い方だろう。2010年代前半のR33の相場は、こんなものだった。メーター改ざん車はやや安く、程度がいい後期型で300万円台半ば、ニスモのコンプリートエンジンが載っていたら400万円代、400Rがたまに市場に出てくると500〜600万円くらい。今では考えられないほどリーズナブルだった。 話はちょっと脇道に逸れる。一概には言えないが、現在流通している400万〜600万くらいの個体は、概ね当時流通していた車両がそのままのコンディションで(ここが重要なのだが、後述)250万〜300万円高くなった印象だ。中古車価格は株のようなもので、市況に左右される。人気が出れば値段は上がる。
「よかったですね。手放したら儲かりますね」とよく言われるが、そんなことはまったくない。これまで2度100万円を超える修理と現状復帰を行い、毎年、馬鹿にならない税金を払い続けているのだ。「自動車は買っても売っても損をする」と語ったのは偉大なる自動車評論家の徳大寺有恒さんだが、さもありなんである。
実際、維持費はどれくらい?
今回の本題は「GT-R維持の現状」だが、結論から先に言うと「つい最近までは新品、中古ともに部品が豊富だったけど、今後は維持費において庶民が維持できる上限を超え、ポルシェ、フェラーリの世界に突入する」。
R33に限っていうと、実は第二世代GT-Rの中でもっと維持しやすいモデルだった。人気のR32、R34に挟まれ人気のなかったR33を買うオーナーはどちらかというと「壊れても直さない」「(内装など)ボロボロになってもそのまま乗りっぱなし」という方が多かったのだ。これは専門店の方も語っていたので間違いない。
結果、本気でR33を愛するオーナーにとっては、純正部品の在庫が豊富に残っており、とても維持がしやすいモデルだったのだ。これは助かった。
では具体的に、どういうところが壊れるのか?
GT-Rだからといって、基本はどこにでもある、車齢20年を超えた国産中古車だ。距離、年式なりの「どうでもいいところだけど、放置してはいけない箇所」が壊れていく。
例えば、ステアリングラックからのオイル漏れ。これはラックごと交換になるが、リビルト品が存在するので工賃込みで大体10万円。
例えば、エアコンの故障。R33から壊れにくくなったとはいえ、車齢が20年を超えているのだから、当然ダメになる。筆者の場合はコンプレッサー本体が故障し、リビルト品に交換して工賃込みで約10万円超。
旧車を維持されている方なら「まあ、そんなもんだろうな」と納得していただける金額だと思う。また、ここで「約」と断っているのは、修理した当時と現在では純正部品の価格が異なるので、あくまで目安だと思ってほしい。
だが、前述した通り、筆者はこれまで2回、100万円を大きく超える整備を行っている。一体どんな作業をしたのか?