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「第2世代GT-R」の維持費ってぶっちゃけどれくらい? 借金してでも修理したほうが「お得」な理由とは

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TEXT: Auto Messe Web編集部  PHOTO: Auto Messe Web編集部

気がつけば100万円を超える請求書が手元に

 それは、「予防整備」と「現状復帰」だ。前者の「予防整備」とは、エンジンに使われているガスケットやゴムホース類を一気に交換した。エンジンの補機類を全部取り外し、ヘッドも外して、ほぼエンジンオーバーホール一歩手前までバラす、かなり大掛かりな作業だ。BCNR33

 ガスケットやゴムホース類自体はそれほどの金額は掛からなかったが「どうせここまでバラしたのだから」と、まだ壊れていない補機類をすべて交換した。BCNR33

 具体的には、オルタネーターやセルモーター、ターボチャージャーを交換している。オルタネーターやセルモーターはリビルト品、ターボチャージャーは新品だ(ツインターボなので、ふたつも!)。トランスミッションも分離するので、フライホイールとクラッチも交換。あ、ついでにヘッドライトも後期型にしておくか……。BCNR33 ここまでくると段々感覚が麻痺してくるもので、気がつけば最終的な支払いは100万円を大きく超えていた。ふとわれに帰ったとき、ローンの用紙にハンコを押している自分に気がついた。後悔はしていない。

 ふたつ目の「現状復帰」とは、サスペンションのフルオーバーホール、ファンの間では「シャシーリフレッシュ」と呼ばれる作業を行った。第二世代GT-Rはマルチリンクと呼ばれる複雑なサスペンションを採用している。これが20年も過ぎた中古車になるとどうなるかというと、アームに使われているゴムが劣化し、所期の性能を発揮できなくなっているというわけ。アーム類を全部新品にする、あるいはアームに使われているゴムをNISMO製に打ち替えてしまえば、新車当時の乗り味を復活させることができる。BCNR33

 エンジンの作業と同様に「どうせアームを外すなら、これも交換しておいた方がいい」部品がゴロゴロ出てくる。前後のハブベアリング、フロントのドライブシャフトブーツ、リヤはサブフレームも新品に。サブフレームが外れているのだから、燃料タンクもついでに降ろして、ホースの交換を……。BCNR33

 これも段々感覚が麻痺して、気がつけば手元に100万円を超える請求書が置かれていた。

げに恐ろしき「GT-R沼」の世界

 というわけで、「GT-R沼」にどっぷりハマってしまった筆者だが、この深くて広い沼は、まだ道半ばといったところ。じつはまだ「壊れると高い、GT-Rならではの故障」を経験していないからだ。例えば、リヤの4WS機構(電動スーパーハイキャス)は壊れるとウン十万コースだが、まだセーフ。また筆者のR33は標準車だが、Vスペックに装着されているアクティブLSDも壊れると、これは状況にもよるがアウト。新品部品がないので、もう直せない(かもしれない)。

 そんなわけで、じつはまだ筆者の個体は「お金がかかっていない」部類だと思うのだが、現在、上記の同様の作業をしようとするともっと費用がかさむ。新品の純正部品は毎年値上がりを繰り返しているからだ。BCNR33

 まとめると、GT-Rを維持する上で、少なくともここ数年の状況は、以下の通りだ。

・GT-Rといえど、中古車。当然壊れるが、金額はリビルト品をうまく使えば常識の範囲内
・一気に作業すれば、金額が大きいが、作業工賃は節約することができる
・GT-Rらしい走りを取り戻そうとすると結構お金はかかる
・だが、部品は年々値上がりしているので「作業をしたい」と思ったその瞬間が一番安上がり

ということになる。

 では、最近流通している個体は、価格が高騰した分、これまで書いたような整備をしているのだろうか? 筆者の考えは「おそらくNO」。もちろん流通している個体全てを確認したわけではないので一概にはいえないのだが、「昔、安く流通していた個体が、そのまま金額が値上がりした」ように感じる。つまり購入したら、大なり小なり今書いたような修理や整備をしなければならない、ということだ。BCNR33

 どんな個体を買うかにもよるが、車両価格にプラスして最低限150万円くらいは「整備費用」としてプールしておいた方が楽しいGT-Rライフを送れるだろう。

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