最後がXになる三文字車名をやめることには意味がある
こうしたなか、アキュラが創設当初からの上質でスポーティを維持しながら、モデルラインアップの適材化を図る。ブランディングの一環としたモデル名称は、最後をXとする三文字のアルファベットを採用するようになり、インテグラはRSXとなる。さらに、2010年代に入ると、アキュラの全モデルが最後をXとする三文字アルファベットで統一され、セダンのTLがTLX、同じくセダンのRLがRLXとなった。
こうしたブランド戦略の節目として、スーパーカーライクな新生NSXをトップ・オブ・アキュラに据える手法をとった。
それが2010年代後半になってくると、プレミアムブランドではテスラの台頭が目立つようになるなど、EVを中核とした本格的な電動化時代が予感される状況になっていく。そして、ホンダは2021年4月、2040年までにグローバルで新車100%EV/FCVを打ち出した。
これを機に、ホンダ事業全体のなかでのアキュラの立ち位置も変わる可能性が高く、NSXもいったん市場から撤退するとともに、モデル名のXを最後とする三文字アルファベットについても、新生インテグラによって改められることになる。
NSX生産中止とインテグラ復活は、アキュラ戦略の転換を意味するといえる。