デビューから早くも1年後にモデルチェンジ!
1970年に発売されたZ360は、1971年11月に早くもモデルチェンジを行い、31ps仕様とCVツインキャブレターの36ps仕様の2種類の水冷エンジン搭載モデルに改良された。
グレード体系も見直され、31ps仕様のゴールデン・シリーズ(4タイプ:1972年1月発売)と36ps仕様のダイナミック・シリーズ(4タイプ:1970年12月発売)としてラインアップされた。 プラットフォームの変更やエンジンがコンパクトになったことでホイールベースを2080mmへと拡大。室内空間を拡大したほか、キーを抜けばステアリングがロックされるロック付きイグニッションスイッチや、80km/h以上になると警告音が鳴る速度警報装置、後席背もたれを倒すと荷室が広くなるバゲージスペースが装備された。
後世に語り継がれるべき名車であったが一旦終了……
さらに1972年11月にも大改良が行われ、Zハードトップ・シリーズを新発売。特徴はセンターピラーのないハードトップと迫力が増したフロント&リヤスタイルで、リヤゲート開口部からスペアタイヤへとアクセスできることからセパレート型のリヤバンパーとなった。そのほか、クォーターウインドウは上下スライド式を採用したほか、リヤピラーの新形状エンブレムはベンチレータールーバーを兼ねたものとなり、これがハードトップの外観上の特徴でもある。
搭載エンジンは36ps/3.2kg-m仕様のみの設定となり、SS/GT/GL/GSSの4グレード展開で車両価格(東京地区希望価格)は36.8~46.1万円となっていた。
Z360は軽のスペシャリティの先駆けであったが、ホンダが軽自動車から一時撤退したことで生産終了となる。しかし、20世紀の末にやはり独創的なスタイルで復活することになる。
■ホンダZ(後期)
〇全長×全幅×全高:2995mm×1295×1275mm
〇ホイールベース:2080mm
〇トレッド 前/後:1130mm/1115mm
〇車両重量:530kg
〇乗車定員:4名
〇最小回転半径:4.4m
〇室内長×室内幅×室内高:1490mm×1125mm×1075mm
〇エンジン:水冷4サイクル OHC直列2気筒横置き
〇総排気量:356cc
〇最高出力 36ps/9000rpm
〇最大トルク 3.2kg-m/7000rpm
〇サスペンション 前/後:独立懸架/半楕円板ばね式
〇ブレーキ 前/後:LT油圧式/LT油圧式
〇タイヤサイズ:145-SR10