国産「10年選手」カーをプレイバック
毎年数多くの新型モデルが登場する国産車ですが、マイナーチェンジを繰り返し10年以上フルモデルチェンジせず販売され続けているというモデルもあります。今回はそんな10年選手な国産車をピックアップしてご紹介。「古さを感じないあの現行車が10年選手!?」なんて感じるかもしれません。
日産GT-R
先日2022モデルが発表されたGT-R。R35と呼ばれる現行モデルの発売は2007年12月のことでしたから、今年の末で丸14年現役ということになります。
世界のスーパースポーツがライバルであるGT-R。毎年数々のライバルたちが新しくなっていくのに合わせて、GT-Rは毎年改良を行うイヤーモデル制を採用しています。そんな毎年進化しているGT-Rは、見た目や基本メカニズムこそ大きく変わっていないものの、初期型と現行型には大きな性能差があります。
GT-Rは少量生産のスポーツカーであるため、同メーカー内で共有していないオリジナルのメカニズムが多くあります。そのためフルモデルチェンジで多くのメカニズムを一新するとなると、かなりのコストがかかることは明白。日産はGT-Rがスカイラインの系譜から独立したモデルになる時点でそのようなことも踏まえていたのか、登場当時世界トップレベルの高性能でありながら、年々スペックを進化させていくのに対応できる基本設計を実現させました。
トヨタ・ランドクルーザープラド
1990年にランドクルーザー70から派生し、ランドクルーザー譲りの悪路走破性とタウンユースで使い勝手を両立したモデルとして登場したプラド。
現行型となる4代目は2009年に登場しました。歴代モデルを見てもランドクルーザーの約2年後にフルモデルチェンジを行うというサイクルなので、プラドのフルモデルチェンジは時間の問題と言えます。とはいえ、ランドクルーザーも14年ぶりのモデルチェンジとなりました。
ここまでフルモデルチェンジに長い年月を有しているのは、信頼性の確保とモデルライフが長くても一定数の需要があるということでしょう。信頼性はどんなクルマにも求められますが、ランドクルーザーやプラドのような過酷な状況でも確実な移動手段としての性能を求められるモデルは、実績と信頼性の高い保守的なメカニズムを採用する傾向にあります。
フルモデルチェンジというメカニズムを大きく変更することを短いスパンで行うのは、ほかの車種と比べるとかなり大胆で勇気が必要な決断です。またヘビーデューティに対応できるモデルは積雪が多い地方などを中心に常に一定の需要があるもの、フルモデルチェンジでテコ入れこしなくても売れ続けているのです。
三菱デリカD:5
2019年2月にビックマイナーチェンジを行い、ダイナミックシールドを採用した顔つきで一気に今風のデザインとなったデリカD:5。しかし2007年の登場以来フルモデルチェンジは行われていません。
こちらも理由はプラドと似ているでしょう。高い悪路走破性と3列シートスライドドアという特徴はデリカD:5だけが持つもの、それだけに一定の需要があります。事実、直近3年の普通乗用車販売ランキングではコンスタントに50位以内へランクイン。三菱車のなかでコンスタントにランクインしているのは、10年以上のモデルライフを持つデリカD:5のみ。
レクサスCT200h
欧州のプレミアムブランドから販売されているCセグメントハッチバックと対抗するために、レクサスブランド初のコンパクトモデルとして2011年に登場したCT。
現在のレクサスラインアップのなかでは、もっとも古株となるモデルです。CTはこれまで2度のマイナーが行われ、レクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルが採用されたり、レーダークルーズコントロールやレーンディパーチャーアラートなどが備わった予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」が装備されたりと、見た目も装備もすっかり今どきなモデルです。しかしながら基本的なパワートレインは3代目プリウスと同じ(現行は4代目)。
基本的な部分は如何せん古さが隠せないCTですが、SUVとセダンがラインアップの基本となっているレクサスのなかでは、唯一のコンパクトハッチバックです。それだけに男性レクサスオーナーの奥さま用や、レクサス入門としての役割を担うブランドとして欠かせないモデルです。
コンスタントに売れるので絶版モデルにするのは考えにくいと言えます。しかしながら高級ブランドレクサスにラインアップしていて人気のSUVほど数はでないので、利益を考えても長期スパンでフルモデルチェンジをした方が都合がいいというところもあるのでしょう。ボディサイズなどから考えても次期CTはTNGA-