クロスオーバーモデルは「カローラクロス」だけにあらず?
まだまだ衰える気配のない世界的なSUVブーム。国内外のメーカーが魅力あるモデルを数多く投入しており、9月14日にはトヨタが新型の『カローラクロス』を国内デビューさせた。
カローラといえばセダンを核にクーペやハッチバックなど、さまざまなバリエーションがあることで知られており、SUVテイストを漂わせた派生車種も少なからずある。その歴史と代表的なモデルを振り返ってみたい。
そもそもカローラには代々ワゴンが設定されていた
少しカテゴリーの幅を広げて考えれば、パイオニアと呼べるのは1982年に発売された、いわゆる70系のカローラワゴンだろう。SUVというよりは商用車に近い立ち位置だが、ワゴンとしての3代目に当たる100系は洗練されたデザインや、165psを絞り出す最終型4A-GEエンジンを搭載したグレードもあり、従来のビジネスユーザー以外からの人気も高かった。
2000年からカローラのステーションワゴンは、ネーミングを一新し『フィールダー』となる。初代の120系はセリカと同じ1.8Lで190psの2ZZ-GEに、6速MTを組み合わせたホットモデルが設定された。
続く140系ではTRDがターボによるチューニングを施した、コンプリートカー『カローラフィールダー“GT” TRD Turbo』も。
さらに3代目ではシリーズ初となるハイブリッド車が途中で追加、2019年からは名称を『カローラツーリング』とあらため(フィールダーも併売)現在に至る。
カローラクロスフィールダー
以上はすべてステーションワゴンであり、SUVと呼ぶには抵抗があるかもしれない。そのなかにあって注目したいモデルは、2015年に発売された『クロスフィールダー』だ。
3代目の160系フィールダーをベースに、モデリスタが作り上げたコンプリートカー。
スキッドプレートを意識させる前後スポイラー、プロテクター風のフェンダーガーニッシュ、タフで骨太なデザインのホイールなどにより、大自然のなかに佇む姿が似合うアクティブなスタイルに仕上げた。
最低地上高はカタログモデルと変わっていないものの、カローラのシリーズでは初めての本格的なクロスオーバーといえるだろう。