軽枠をはみ出さない2シーターの「ファントム」ができるまで
ボンネットができたら左右フェンダーに入る。そこまでいけば、バンパーが作れる。そうしてひとつずつパーツを作っていった。すべてがワンオフ。何から何まで、大変だった。とくにリヤに至っては、ピラーの後ろからすべてイチから鉄板でボディを作製している。トランクドアだけはオプティ純正を移植しているが、それ以外はすべてが手作りである。
「とにかくキレイに作らないといけないので、リヤ窓からトランクの間までは何回作り直したかわからない。本来ない場所を作るのは難しかったです」
パーツ集めもひと苦労だ。ヘッドライトだって、本物ロールス用は一個数十万円もするため購入は不可能。ならばどうやってロールス風に見せるか。ピッタリはまるサイズの角目ヘッドライトは見つからず、テリオスキッドカスタムのフォグランプを入れ、ここはポジションとして使用。
そしてその下にワゴンRのプロジェクターを、インプレッサのフォグ用メッキリング+アクリル板を使って埋め込み、ヘッドライトにすることで、法規に適合させた。
「理事長が喜んでくれるクルマ」という意味でもハードルは高い。チープな内装は総リメイク。シートカバーも使わず、ミシンの使い方も勉強し、イチから縫った。白内装にしなかったのは、「理事長が汚すのを気にせず乗れるように」との心遣いからである。
本物を使わず、いかにうまく流用するかに苦労
パーツ選びは班長が奮闘。ヘッドライトがなかなか見つからなかったが、フォグと位置を逆にするという離れ業で角フォグとプロジェクターを投入する。ボンネットやフェンダーは鉄板製で、ひずみのなさに驚嘆。
ボンネットマスコットはマグネット式。その下のロゴプレートは学校のマシニング機で作製した。
シートパターンは「雰囲気勝負です」。ブラウン部の幅を何cmにするかといった細かい箇所もみんなで会議して決めている。 ミラココア純正ホイールに、キューブ純正ホイールキャップをかぶせ、FRPで自作したRRプレート装着している。
テールはアイシス純正を逆付け。リフレクター部にLEDを埋め、ブレーキランプに仕立てた。
前後バンパーはダイハツ・オプティのリヤバンパーを使ってFRPで型取りした後加工。リヤバンパーの下の丸味は、溶接用ガスボンベから型を取って貼り付けている。
Specifications
EXTERIOR
●Fバンパー:ワンオフ
●Rバンパー:ワンオフ
●グリル:ワンオフ
●ライト類:MH系ワゴンR用プロジェクター移植、GG2型インプレッサ用フォグ移植、アイシス用ロアテールランプ移植、ホンダ純正サイドマーカー移植
●ペイント:ロールスロイス純正ホワイト
●その他:ボンネットワンオフ、オプティ用トランクドア移植、ロールスロイス風エンブレム、ボンネットマスコット、ウィルズウィンエアクリーナー、NGKプラグFOOTWORK
●ホイール:ミラココア純正鉄ちんホイール×キューブ用ホイールカバーF/R4.5J×14in
●タイヤ:ピレリドラゴンF/R155/55-14in●フェンダー:
鉄板溶接
●足まわり:ファイナルコネクションキッズレーシングダンパーINTERIOR
●ステアリング:塗装
●パネル:塗装
●シート:張り替え
●ドア内張り:張り替え&塗装
●天井:張り替え