気をつけておきたいポイント:ブレーキ
次はブレーキ。サーキット走行ではタイヤと並んで消耗が激しく、パッドとフルードの強化が必須とされている。軽量なクルマで経験も豊富なドライバーであれば、純正パッドで休み休み走れるかもしれないが、ビギナーにそんなスキルを求めるのは酷というもの。
仮に新品でも純正パッドで走るのは自制し、サーキット用の強化品を使うようにしたい。選ぶとき注意したいのは耐フェード性で、純正パッドはフェード現象(ブレーキを連続で使用したことによる制動力の低下)が300~350度で始まるのに対し、スポーツパッドは400~750度と高い温度域に設定されている。つまり高速からのフルブレーキングや、周回を重ねたときもフェードしにくいというワケ。
ほかにブレーキ系で忘れちゃいけないのはフルード。フェードしたままブレーキを使い続けると、その熱がフルードに伝わって沸騰しベーパーロック現象が起きる。サーキットではフルードの温度が200度を超えることも珍しくなく、最低でもドライ沸点が230度以上の規格である『DOT4』の製品を使おう。
気をつけておきたいポイント:油脂類
最後は油脂類、とくにオイルだ。サーキットで酷使するのはタイヤやブレーキだけじゃなく、レブリミット近くまで回すエンジンやミッションも一緒だ。当然ながら内部のオイルは摩擦によって高温となり、油膜切れでダメージを負ったり最悪はブローすることも。
少なくともエンジンオイルは必ず交換、駆動系のオイルは少なくともサーキット2~3回ごと。そしてブレーキフルードや冷却水も汚れや減り具合を確認し、少しでも不安を感じるようなら「転ばぬ先の杖」として交換したい。
タイムや順位を気にせず体験をメインとするなら、ココで紹介した3つが万全であれば大丈夫。パワーアップさせる必要性なんてまったくないし、足まわりだって抜けていなければ純正でも十分だ。「チューニングしてからじゃないと走れない」と勝手に思い込まず、最低限のポイントを抑えてサーキットに飛び込んでみよう!