一度仮組みして仕上がりをチェックしてみる
ではテストしてみます。とても滑らかに動いて垂直位置まで開き、そのまま静止します。
じっくり観察すると、トノカバーの前端がボディ側から離れながら開くので、ボディとの隙間をなくすことができます。そこで細長く加工したベニヤ板を追加接着して、裏側にアルミ角材の補強を入れたあとで、裏表ともFRP樹脂で補強しました。
ヒンジを黒く塗装してから荷台のサイドにボルト留めします(最終的には白塗装に変更していますが)。雨対策としてトノカバー下に雨どいを設け、雨水がホイールハウスの穴に流れるようにホースで導きます。
トノカバーのキーはフューエルリッドのものを流用
いよいよ最終段階です。いちばんの難題、トノカバーをロックする方法を考えます。ゴム製のフードキャッチもアリかなとも思いましたが、せっかくヒンジを目立たなくしておきながら、キャッチがゴツいというのもナニなので、キーロック式とします。ここで役立ったのが、フューエルリッドに使われていたキーシリンダーです。
このキーシリンダーなら同じメインキーで開閉操作ができて便利です。仕掛けはイラストのとおりです。(フューエルリッドの改造の顛末は「給油口を室内からオープンしたい」でリポートしています)。
キャッチの工作と同時進行でトノカバーの塗装を行いました。2液ウレタンスプレーの白で塗装したら、1輪車に載せて真冬の貴重な日光を受けられるように移動させます。低温だと2液ウレタン塗料の硬化が極端に遅くなるため、木の影を避けながら日光浴させるのですが、1輪車がとても役立ってくれました。
可愛らしい自作トノカバーがついに完成
キャッチが完成しました。トノカバーの下に付くステーは、バイクのシートロックのパーツです。トノカバーが閉まった状態のときの、ステーとアオリとの位置関係を知るために「すきまパテ」をアオリに貼り付けます。トノカバーをそっと閉めるとパテにステーの押し印が残るので、簡単にストッパーフックの位置決めができます。
フックの出るスリットをドリルの連打で開け、ヤスリで整えます。タッピングビス2本で装置を固定すれば、ストッパー側の加工は完成です。
次にキーを90度回転させてワイヤーを引く仕組みを作ります。アオリのロックレバーのサービスホールのカバーを開け、キーシリンダーの位置決めをします。
ここもドリルの連打で丸く穴を開けてから、回転ヤスリビットで正円に削り、キーシリンダーをセットします。
裏側にワイヤーを引く装置を取り付け、ワイヤーの張りと長さを調節します。アオリのロックレバーとカバーを元に戻してキーロックのでき上がりです。
キーを差し込み90度右に回すとロックが解除されて、トノカバーを上げることができます。キーはこの位置では抜けないので、90度戻したタテ位置でキーを抜きます。フックのツメが出たままの状態になりますが、トノカバーを閉めるとフックの首振りで自動ロックされます。
トラックらしからぬ小さな荷台のマー坊にお似合いの、可愛らしいトノカバーの自作が楽しめました。