FF黎明期の高性能モデルとして最新技術を投入
サスペンションは当時このクラスではまだ少ないFF方式ながら、四輪ストラット式サスペンションを採用していた。弾性の高いゴムブッシュの採用で、衝撃をソフトに吸収。スタビライザーも前後ともに備わる。車速応動型のラック&ピニオン式ステアリング(XE、E仕様のみ)は、ステアリングへのキックバックが抑えられる構造だった。
エンジンは定評あるEK型、昭和53年排ガス適合のCVCCエンジンを搭載。自動戻しオートチョークとオイルクーラー付きで、1750ccの直4は最高出力90ps/5300rpm、最大トルク13.5kg-m/5300rpmを発揮(5速MT)する。車両重量が1トンを大幅に下まわるボディを機敏に走らせるには、十分な性能を誇った。
1980年1月には、国産初電動式サンルーフをブラウンのスモークドガラス式(手動サンシェード式付き)とした。さらに、同年4月にはアコードと同時に新開発されたCVCC-IIエンジン(型式は同じEK型)を搭載。排気量は変わらないまま、95ps/14.3kg-mへと進化した。
高性能タイヤの採用も特筆で、XR仕様にはブリヂストン製ポテンザRE47、175/70HR13をオプション設定(フットレストも標準化)する。余談ながらアコードは165SR13のミシュランXZXを装着した。ブリヂストンとミシュランの違いはあるが、プレリュードは一段とスポーティ志向に移行した。
こうしてホンダ念願の多チャンネル販売店実施、フラッグシップとなるクーペ、ホンダらしい先進性あるスポーツモデルであるという、願いを叶えたプレリュードが始まった。そしてそれは、二代目プレリュードで確立されるのである。
付録:当時の東京地区標準現金価格116.0~140.0万円
■ホンダ・プレリュードXE
全長×全幅×全高:4090×1635×1290mm
ホイールベース:2320mm
トレッド(前/後):1400mm/1410mm
車両重量:915kg
乗車定員:4名
最小回転半径:4.6m
室内寸法:長×幅×高=1690×1350×1035mm
エンジン:CVCC直4SOHC
総排気量:1750cc
最高出力:90ps/5300rpm(5速MT車:ホンダマルチマチックは85ps)
最大トルク:13.5kg-m/3000rpm
タイヤサイズ:155SR13(前/後)
ブレーキ:前/後 ディスク/LTドラム
サスペンション:ストラット式(前/後)