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アウトドアブームで今、人気爆上がり! 時代を先取りし過ぎたホンダ「エレメント」

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 本田技研工業/Auto Messe Web編集部

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  • エレメント観音開きドア
  • 北米モーターショーで登場したモデルX
  • K24型2.4L直4DOHCエンジン
  • エレメントのリヤスタイル
  • 機能性に優れるエレメント

使い勝手にこだわった北米企画のニッチなアメリカンSUV

 2001年の北米自動車ショーで、ホンダはコンセプトカー「モデルX」を発表した。当時のリリースには「このクルマは、4人乗りのFF車を想定して設計されており、ルーフ後部のスライド機能や可倒テールゲートの採用によりオープンで大容量のカーゴスペースが出現し、サーフボードなどを縦に積むことが可能」とあった。北米モーターショーで登場したモデルX また、観音開きのドアとセンターピラーレス構造の採用により、「大きな荷物の積み下ろしを容易にし、乗降性を高めるなどアクティブな趣味を楽しむための様々な工夫がなされている」などと記載されていた。

若者のライフスタイルに寄りそった斬新な使い勝手が魅力!

 2003年、ホンダは北米の研究拠点で企画・開発されたSUVのエレメントを発売した。異例なのはコンセプトカーとほぼ同じスタイリングであったことに加え、開発に携わったのが多くの若い北米スタッフだったこと。大学のキャンパス、ビーチ、キャンプ場などで徹底的にリサーチを行い、若者のライフスタイルにフィットするSUVとして登場したのだ。エレメント観音開きドア 特徴はコンセプトカー同様にセンターピラーレスの大開口観音開きドアと、クラムシェルと呼ばれる上下分割テールゲートによる積載性の高さ。機能に合わせた斬新なスタイリングは、アウトドアギアと呼びたくなるようなものだった。

コンセプトはビーチのライフガードステーション!?

 エレメントが面白いのは、海水浴場で安全を見守るライフガードステーションをモチーフとしたスタイリング。機能を全面に打ち出したバンパーとボディ下部には樹脂を採用したことで、力強いラギッドさを見せている。 また、ルーフの一部とボディ下部のクラッディングに傷が付きにくい無塗装の新素材を用いることで、多少の擦り傷などは気にならない使い勝手を優先。ヘッドライトもあえてボディの奥へ凹ませ、当時は新しかったHIDを標準装備として、デザインと機能性を両立させた。

やり過ぎなユーティリティ性能は最新ミニバンにも匹敵

 注目のユーティリティを見ていくと、フロントドアは最大で78度、リヤドアは90度まで大きく開き、開口部の高さは1140mm、同幅は1550mmと大胆に大きくとられていた。

 テールゲートも上下を開けた状態で高さ1025mm、幅1110mmを誇り、ロアゲートを開けるとフロアと一直線でつながる。そのため、荷物の出し入れがしやすいうえ小物ならアッパーゲートを開けるだけで載せ下ろしが可能だった。ドア開口部が広く取られたエレメント ちなみにロアゲートの高さは660mm、耐荷重は200kgまでとなっていたため、日差しを遮り小雨を避けながら座って寛ぐことができる、昔の家によくあった縁側のような使い勝手も便利であった。ちなみに背もたれになるシートバッククッションまでオプション設定されていたのも面白い。耐荷重220kgを誇るリヤロアゲート これだけの開口部を持つモノコックボディながら「G-CON」と呼ばれる衝突安全性能によって、前面フルラップ衝突55km/h、全面オフセット衝突64km/h、側面衝突55km/h、後面衝突50km/hという、高効率エネルギー吸収&高強度ボディを実現。優れた衝突安全性能を誇る「G-CON」 さらにカーゴスペースは最新ミニバンにも負けていない多機能さを備え、助手席を倒せば10フィートのサーフボードを積み込める。さらに、後席を左右に跳ね上げればタイヤを外さずにマウンテンバイクが収納できるほか、シートすべてをフルフラットにすれば180cmの長身の人でも横になれる空間を確保していた。

 また後席にはスライド機構が備わるうえに、前席よりも130mmヒップポイントが高く設定されていたため、リヤシートでも良好な視界が確保された開放的な空間も魅力であった。エレメントのシートアレンジ もちろん特筆すべきは豊富な収納の数々。オーバーヘッドコンソールを筆頭にインパネトレイ、4つのホルダーやセンタートレイなどが装備される。水滴や汚れを水ぶきできるワイパブルフロアや防水シート表皮(3色パターンを用意)、撥水ルーフライニングもあって、まさにアウトドアレジャーにぴったりの仕様であった。

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