アルテッツァ:コンパクトFRの心臓部として
3Sエンジンの最終進化系はアルテッツァに搭載されました。エンジン型式こそ3S-GEと変わらないものの、吸排気と両方に可変バルブタイミング機構を搭載。カタログ値210psを発生し、リッター当たり105psというNAエンジンとしてかなりハイスペックなエンジンとなりました。
アルテッツァは1998年に登場したモデルであり、それまでも多くのモデルに3Sエンジンは搭載されてきましたが、FRに搭載されるのはアルテッツァが初めて。これにより、FF、4WD、MR、FRと4つの駆動方式に採用されたことになりました。
レース:グラスルーツからトップカテゴリーまで
そして3Sエンジンを語る上で外せないのが、モータースポーツでの活躍です。登場当初からWRCやグループCなど、オンロードとオフロードそれぞれの最速を競う国際レースのステージで使われていたという、その汎用性の高さに驚かされます。
しかし、もっとも驚くのは長きに渡り第一線で活躍していたということです。3Sエンジンが最後にモータースポーツで使われていたのは、2017年の全日本F3Nクラスでのこと。「ついこの間まで」という表現ができてしまう時期です。
3SエンジンはNAエンジンとターボエンジン、オンロードからオフロード、フォーミュラとハコ車、あらゆるカテゴリーで長きにわたり第一線で使われてきたのです。市販車エンジンとしてはもちろん、モータースポーツエンジンとしても「名機」であるのは間違いありません。