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「冬キャンプ」に潜む見えない危険! あなたに忍び寄る「一酸化炭素中毒」の恐怖

室内用薪ストーブ

換気はマスト! テント内での火器使用には細心の注意を払うこと

 気温が下がる秋冬シーズンに気をつけてほしいのがテント内での「一酸化炭素中毒」です。防寒対策のために締め切ったテント内で、石油ストーブやオイルランタンを使うと命に危険をおよぼす可能性も……。テント内で火器を使用するときには十分な換気を心掛けましょう。

夏の水難事故同様に秋冬キャンプの一酸化炭素中毒事故の危険性

 キャンプは自然と対峙する「趣味」であるがゆえ、ケガや事故に遭遇する可能性は高くなります。夏のキャンプでは水難事故が多発することは周知の事実ですが、意外と忘れがちなのが秋冬シーズンの事故。 気温が急激に下がる季節には、テントを締め切り冷たい外気を遮断することが多くなるため、密閉されたテント内部で火器を使ってしまうと一酸化炭素の濃度が高まり、「一酸化炭素中毒」を引き起こすことになるのです。

最悪の場合、死に至ることも! 換気不十分でのテント内火器使用は自殺行為

「一酸化炭素中毒」は酸素の少ない状況で、火器が不完全燃焼を起こすことで発生します。先にも記したように、これからの秋冬シーズンは冷たい外気を遮断するためテントを密閉する時間が長くなり、その状況で石油ストーブやオイルランタンなどを使用すると正しい燃焼ができず、不完全燃焼を起こした火器が一酸化炭素を出すことになります。 一酸化炭素は赤血球中のヘモグロビンと結合しやすく、一酸化炭素を吸入してしまうと血液を通して酸素を運ぶことができなるのです。空気中の一酸化炭素濃度が3~4%になるとめまい、頭痛、吐き気、手足のしびれなどの運動障害が起こり、7%を越えると意識を失い死に至ることもあるのです。一酸化炭素は無色、無臭ということもありテント内の一酸化炭素濃度が上がっても気が付きにくいのが大きな特徴。テントのなかで倦怠感や眠気、頭痛などの違和感を覚えたら、速やかにテントの外に出て下さい。症状が重い場合には119番に通報して救急車を呼びましょう。

万が一の予防策として一酸化炭素チェッカーを用意しておくことが大切!

 一酸化炭素中毒を防止する方法はテント内で火器を使用しないこと。使用するのであれば入口やベンチレーター(換気口)を開放して定期的かつ長時間換気を行い、テント内部の一酸化炭素濃度を下げることが大切です。 万が一の予防として防災グッズとして市販されている「一酸化炭素警報機」をテントのなかに装備して置くのも賢い方法のひとつ。価格は数千円〜数万円とピンキリですが秋冬キャンプの必需品として用意しておくと安心でしょう。一酸化炭素中毒は火器の不完全燃焼が原因になるため、石油ストーブやオイルランタンなどにしっかりとメンテナンスを施しておくこともお忘れなく。

電気ストーブや湯たんぽで安心・安全に秋冬キャンプを快適に過ごしたい

 命に危険をおよぼす一酸化炭素中毒を避けるためには、テントのなかではLEDや蛍光灯式のランタンを使い、ポータブル電源を使った電気ストーブや電気毛布を使用すれば一酸化炭素中毒の心配はありません。 また、個人的に推奨するのが焚き火やBBQコンロで沸かしたお湯を熱源とする「湯たんぽ」。レトロな暖房器具ですが、シュラフの足元に入れておくことで体がポカポカと温まり、翌朝には湯たんぽのお湯で顔を洗うこともできるので一石二鳥。最近ではその実力が見直され、100円ショップでも販売(200円商品)されています。 ただし、湯たんぽを使う場合には低温火傷に注意し、専用のカバーやタオルなどに包んでから使用してください。気温が下がる秋冬シーズンのキャンプではテント内部で使用する暖房器具をしっかりと見極め、十分な換気を心掛けましょう。

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