クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 「セリカ」「カローラ」「コロナ」! 超貴重なカタログで振り返るトヨタの「ハードトップ車」
CLASSIC
share:

「セリカ」「カローラ」「コロナ」! 超貴重なカタログで振り返るトヨタの「ハードトップ車」

投稿日:

TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

コロナ

 さて、そんなハードトップだが、日本車でいち早く採り入れたのがトヨタだった。最初のクルマは1965年に登場したアローラインと呼ばれた3代目コロナのときで、1964年9月にフルモデルチェンジがあった翌年の1965年7月に追加されたのが日本車初のハードトップだった。コロナハードトップのカタログ スペックを見るとホイールベースはセダンと共通ながら全高がセダンの1420mmに対し1375mmと低く、横桟基調の専用フロントグリルが与えられるなどして、スポーティさを強調。エンジンは“頭上弁式(OHV)”の1.5Lと1.6Lを設定したほか、さらに同じボディに1.6LのDOHCを搭載、車名もトヨタ1600GTとした高性能モデルとして登場した。

コロナ・マークII

 登場順でいうと、2車種目だったのがコロナ・マークII。ご存知のとおり当初はコロナの上級モデルの位置づけだったため、この車名となっていた。1968年9月に登場した初代はセダンのほか、ステーションワゴン、バン、ピックアップ(シングルキャブ/ダブルキャブ)とバリエーションを持つなかで、ハードトップも用意された。コロナ・マークIIのカタログ アローラインのコロナの面影を残しつつ、よりふくよかなイメージの外観や、GLSなどスポーティグレードは専用の丸型3連メーター、3本スポークステアリングなどが与えられた。この初代コロナ・マークIIは人気を集め、発売年の12月には月間登録2万台を記録しベストセラーとなっている。コロナマークIIハードトップのカタログ

クラウン

 1968年にはもう1台、10月にクラウン・ハードトップが発売になっている。1967年登場のこの3代目クラウンは、もともと“白いクラウン”の広告コピーで、パーソナル需要をアピールしたモデルだったが、クラス初のハードトップは、優雅な姿でセダンとはまた別の高級感を味わわせてくれた。クラウンハードトップのカタログ 味わわせてくれた……と書いたのは、当時小学生だった筆者は、伯父が持っていた、まさしく写真と同じ白いSLに載せてもらい、何度となくドライブに連れていってもらった経験があるから。メーカーは忘れたが1/20スケールだったかのプラモデルも作り、大きな赤いレンズのなかにポツンとオレンジのウインカーとシルバーのバックアップランプが浮かぶテールランプ(好きなデザインだった)を、実車さながらに……と一生懸命にクリアの塗料で塗って仕上げたことを思い出す(途中でルーフをつや消しの黒にし、レザートップに変えたりもした)。

セリカ

 その次は年代で追うと、1972年12月に登場のカリーナ・ハードトップということになる。ただしカリーナはセダンが兄弟車の初代セリカとともに1970年12月に登場しており、セリカもトヨタでは“ベースにセダンを持たないハードトップクーペ”といった表現をしているので、ここでは合わせて取り上げたい。セリカハードトップのカタログ

カリーナ

 カリーナ・ハードトップはリヤクオーターフィンと呼ぶ、リヤウインドウの実際の傾斜よりさらに伸びやかに後方へ伸ばしたCピラーのセミファストバックが特徴。1974年には2LのDOHC、18R-GU型搭載の2000GTを設定するなどした。カリーナハードトップのカタログ

カローラ/スプリンター

 それともう1台、30(サンマル)と呼ばれた3代目カローラと同世代のスプリンターも、1974年4月のモデルチェンジを機に、それまでのクーペに代わりハードトップを設定した。後方でサイドウインドウのラインをキックアップさせた小気味いいスタイルを採用したモデル。当初は1.6LのDOHC(2T-Gおよび2T-GR型)搭載のレビンを設定した。カローラ/スプリンターハードトップのカタログ

 駆け足で触れてきたが、コロナ・ハードトップが登場した1965年(昭和40年)といえば翌年に初代カローラが登場し、マイカー元年と言われ、いよいよ自家用車が普及し始めたころ。“イキでシックなパーソナルカー”“個性で乗る最高級グランド・ツーリング”(コロナ・ハードトップの当時のカタログコピーより)と、セダンの一歩先を行くパーソナル感覚を打ち出しに、手の届く、けれど眩しい存在だったのが(セダンに対する)ハードトップだった。

12
すべて表示
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS