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気分はルパン三世! チンクエチェントの皮を被った電気自動車「500ev」に乗った

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: チンクエチェント博物館/高桑秀典/Auto Messe Web編集部 米澤 徹

電気自動車にコンバートしたフィアット500を販売

 現行型フィアット 500のモチーフとなっている“フィアット ヌォーヴァ 500”は、イタリアのベーシック・トランスポーターの傑出として名高い初代フィアット 500(トポリーノという名で親しまれている)の後継モデルとして1957年に登場した。チンクエチェント博物館 イタリア語で「500」を意味するチンクエチェントという愛称で呼ばれることも多いフィアット ヌォーヴァ 500は、ルパン三世の愛機としても有名だ。クラリスを救出するためにイエローのチンクエチェントが大活躍した映画『ルパン三世 カリオストロの城(1979年公開)』の影響は絶大で、いまでもバニライエローのフィアット ヌォーヴァ 500=ルパン三世という方程式がクルマ好きの脳内で成立している。

 そのように各方面で注目度が高いヒストリックカーのひとつだと言えるフィアット ヌォーヴァ 500を所蔵、展示するとともに、文化的な遺産として保護、保存にも尽力していることで知られるのがチンクエチェント博物館(愛知県名古屋市)だ。チンクエチェント博物館

 同施設では、フィアット ヌォーヴァ 500を現役のクルマとして後世に残していくスキームの一環として、博物館プロデュース車両を電気自動車にコンバートした「500ev」を販売している。熱心なフィアット ヌォーヴァ 500好きやポルシェをはじめとする高性能スポーツカー好きに、都市部などにおける近距離移動の足として提案しているのだ。チンクエチェント博物館

 チンクエチェント博物館では、イタリアに現存する旧い車両を、提携するカロッツェリア(イタリアでも有数のチンクエチェント・スペシャリスト)にて日本での走行環境に配慮しメカニカルな部分にもこだわり、現代の道路状況にマッチしたクオリティに仕上げてユーザーにデリバリーしている。今回紹介するチンクエチェント・クラシケ(クラシケ=イタリア語でクラシック・カーの意味)を電気自動車にコンバートした500evのほかに、ガソリンエンジン仕様もラインアップする。チンクエチェント博物館

2種類のレストアプランを用意

 これから先、30年、50年と乗り継がれる“現役のクルマ”として後世に残していくことは、フィアット ヌォーヴァ 500の保護、保存と持続可能な社会づくりにもつながるとチンクエチェント博物館では考えている。チンクエチェント博物館

 同施設がプランニングしているのは「スタンダード」と「レストア」のふたつのプラン。スタンダードは日常的に走行している車両で、ボディの状態が良好な個体のみを使用する。内外装パーツの多くを新品に交換もしくはリペアし、エンジン、トランスミッション、足まわり、ブレーキなども熟練メカニックが時間をかけて丁寧にメンテナンスしている。チンクエチェント博物館

 レストアプランは、ボディ全体を取り外し、新たに鈑金塗装を行い、エンジン、トランスミッション、足まわり、ブレーキなども熟練メカニックが時間をかけて丁寧にメンテナンスやオーバーホールを行い仕上げるというもの。チンクエチェント博物館

 またオーダーの場合、ベースモデル(Dタイプ、Fタイプ、Lタイプ、Rタイプ、G(ジャルディニエラ)タイプ)が選べ、さらにボディカラー、インテリアカラーまでチョイスできる“レストア”も用意している。

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