FIAT 500evには旧車の概念にとらわれない新しい愉しさがある
500evは、レストアされたチンクエチェント・クラシケを電気自動車にコンバートした車両である。
キャンバストップ、ヘッドライト、ポジションランプ、ウインカーランプ、フロント/リヤエンブレム、フロント/リヤバンパー、左右ドアミラー、ホイールキャップ、ワイパーブレード、バックランプなどは新品パーツに交換している。
インテリアは、不具合のある部分を新品パーツに交換もしくはリペアしており、内外装が仕上げられたボディにニュータイヤ4本がセットされる。在庫車両以外はカスタムオーダーとなるので、オーダーから納車までの納期が約12カ月となる。
オーダーの場合、ベースのモデルはFタイプとLタイプ(充電用のソケットを挿す関係から2グレードのみ)から選ぶことができ、ボディカラー、インテリアカラーも自分好みにすることが可能。ロングサンルーフ化やオーバーフェンダー化といったボディカスタムにも対応してくれる。
機関は、イタリアのニュートロン社製EVコンバージョンキットを組み込む。リヤにモーター、コントロールユニット、補器類用バッテリーなどを搭載。フロントにモーター駆動用のバッテリーを搭載している。
電気自動車にコンバートされた500evもチンクエチェント・クラシケのトランスミッションをそのまま使用しているが、クラッチペダルおよびシフトレバーの操作が不要で、3速もしくは4速に入れたまま走ることができる。
これまでの輸入車、旧車の概念にとらわれない新しい楽しさがあり、初めて電気自動車やヒストリックカーに乗るビギナーにも扱いやすいので、万人にオススメできる1台だ。
乗ってわかった500evの実力
今回試乗させてもらった500evは、これ以上新品パーツを取り付けるところがないぐらいまで各部を仕上げており、なおかつオプションもたくさん装着されていた。
オプションは、Fタイプ TFTメーター(税込:16万5000円)、デジタルオーディオシステム(税込:33万円)、キーレスエントリー&セキュリティ(税込:22万円)、イルミネーション付プッシュスイッチ(税込:7万7000円)、USBポート(税込:1万1000円)というラインアップとなる。税込車両本体価格は660万円(TWO BATTERY)で、Fタイプ/Lタイプ共通となる。
スペックも記しておくと、500evは13.5hp(10kW)のモーターを搭載しており、航続距離は約100km。駆動用バッテリーの種類は、リチウムイオン電池。充電時間は、家庭用200V(16A)使用時で約9時間となる。発進加速は0~50km/hが7.0秒、最高速度は85km/h、車両重量は750kg、乗車定員は4人だ。
実際に乗ってみると、そのまま使用されているチンクエチェント・
ノーマルのフィアット ヌォーヴァ 500を運転したことがある方はよくご存じだと思うが、