保険では割高になってしまうケースも……
しかし、自賠責保険(24カ月)では一般的な乗用車が2万5830円なのに対して8ナンバー登録車は3万210円となり、少しばかり割高になってしまう。逆に軽キャンパーの場合、一般的な軽自動車は2万5070円だが8ナンバーで登録した場合には1万5190円となり、8ナンバーの方がお得に設定されている。
ここで説明したように、税金に関しては8ナンバー登録を行ったキャンピングカーの方が優位であり、絶対的なお得感を得ることができるはずだ。しかし、ひとつだけ落とし穴があり、8ナンバー登録車は「任意保険」が高く設定されている場合があり、キャンピングカー専用(特殊用途自動車)の保険を取り扱っている保険会社でなければ加入できないこともあるので注意してほしい。キャンピングカーを取り扱っている販売店では専門の保険会社と提携していることも多く、新車・中古車に関わらず問題になることはないが、個人売買で購入するときには事前に保険会社を調べておくことをお忘れなく。
キャンピングカーが税金面で優遇されていることはおわかりいただけたと思うが、もうひとつの心配は維持費の問題。「車検が高いのでは」や「メンテナンス費用が高額」という不安を持つ人も多いはず。基本的にはキャンピングカーという特殊な車両ではあるが、車検取得時に掛かる費用は一般的な乗用車と同様となり、検査費用に大きな差はないはずだ。
とくに軽キャンパーやバンコンはベース車両が市販車であり、定期的なオイル交換やクーラント、ワイパーやベルト類の消耗品の交換をしておけば問題はない。ただし、架装された部分に関しては別。ベッドやキッチンなどの建て付けやパーツの緩み、配線や配管のチェックを定期的にチェックすることが必要となる。トラコンやキャブコンのように、荷台に独立した躯体を持つものは雨漏りを防止するコーキング部分のメンテナンスが必要になる。
軽キャンパーやバンコンなら日常メンテなども不安なし
そのほかの維持費として考えられるのが、駐車場や日常的なメンテナンス費用。バスコンや巨大なフルコンは一般的な駐車スペースにて保管することは難しいが、軽キャンパーやバンコンの場合には、それほど問題はないはず。また、日常的なメンテナンスも同様で、キャンピングカーだから……という特殊性はない。強いて挙げれば、トラコンやキャブコンの場合には荷台に乗せた躯体のワックス掛けやコーティングに手間が掛かる程度のものだろう。
キャンピングカーは憧れの存在……と思っていても、維持費が高いという先入観に苛まれてしまい手を出せなかった人も多いはず。しかし、税制面でお得となり、維持費も乗用車と変わることのない事実を知ればキャンピングカーという存在がより身近に感じられるのではないだろうか? アウトドアを楽しむために軽バンやミニバンを買うのなら、思い切ってキャンピングカーを買ってしまった方が「お得感」とともに「精神的な豊かさ」を手に入れることができるということだ。キャンピングカーに対する間違った先入観を払拭した今、「憧れ」を拒む理由はどこにもない。