ナスカーの聖地、シャーロットで実力を見せる
アメリカでもっとも高い人気を誇るモータースポーツ、「NASCAR(ナスカー)」の3大カテゴリー、「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」。そのトラックシリーズに長年参戦しているのが「HATTORI RACING ENTERPRISES(HRE)」だ。ナスカー界唯一の日本人オーナー・服部茂章代表が率いるこのチームは、さらなる上位カテゴリーへの挑戦として、以前からスポットながらエクスフィニティ・シリーズへの参戦を始めている。そして、今回のシャーロット戦にも「#61 AISIN TOYOTA GR SUPRA(ドライバーはオースティン・ヒル選手)」でスポット参戦を果たした。
第29戦となった「Drive for the Cure 250」は、この新型コロナ禍の影響で、練習走行も、予選も行わないレースフォーマットで開催された。決勝スターティンググリッドは車両のポイント順に抽選を行い決められたが、61号車はまさかの最後尾40番手からスタートを切ることとなった。
今回の舞台であるシャーロット・モータースピードウェイは、ナスカーの協会本部や関連団体、チームの大半が拠点を構えるノースカロライナ州シャーロットにある、まさにナスカーの総本山的なサーキット。このシャーロットの1.5マイルのオーバル部分と、インフィールドのロードセクションを組み合わせたコースが今回の舞台となる。全部で17のコーナーを持ち、全長は2.28マイル(約3.6km)となる。デイトナ同様、オーバルからインフィールドを走ってまた同じ場所に戻り、オーバルもほぼ活用するため『ローバル』という愛称が付いている。
最後尾スタートから挽回とピット戦略で上位へ
レースは、このコースを67周走行するが、第1ステージ20周、第2ステージ20周、そして27周の第3ステージの3ステージ制を採用し、10月9日(土)午後3時にスタートした。
61号車はオープニングラップで31番手までジャンプアップ。すぐに前車のクラッシュによるイエローコーションでのリスタートとなり23番手までアップ、さらに周回ごとに前車を攻略し20番手まで上げる。
ロードコースでのレースはオーバルとは違い、1周のラップタイムが1分以上と長いため、グリーンフラッグ下でのピットストップでも周回遅れにならない。このことからロードコース戦では、各チームが違ったピット戦略を取りやすくもある。
HREはステージブレイク前の15周目にピットインを指示。給油と4本のタイヤ交換、空気圧調整を施しコースに戻すと38番手から追いかける展開となり、第1ステージを34番手でフィニッシュ。このステージブレイクで多くのチームがピットに戻るなか、61号車はコースに留まるチームの戦略が見事に決まり、4番手から第2ステージのスタートを切ることになった。