トリガー条項発動は選挙結果にも影響があるのか
今後、3カ月以上にわたりガソリン平均価格が1Lあたり160円を超えた場合、このトリガー条項は発動されるのだろうか? じつはこれがまったくわからないのである。なにしろ東日本大震災の復興が終わったという宣言はなされていないし、原発被害による帰宅困難地域が存在しているのだから、事実として復興はなされてない。このように考えればトリガー条項発動されることはないだろう。また、コロナウイルス関連でもかなりの税金が投入されているので、それらを補填する意味でも税収を減らすわけにはいかないだろう。 一方でコロナで大打撃を受けた業種のひとつに旅行・観光業界がある。旅行・観光業を潤すためには人々の移動が大切であるから、ガソリン価格が高いのはマイナス方向に働くので、トリガー条項を発動して人々が柔軟に動けるようにすることは大きな意義がある。 このようにトリガー条項は発動に関して微妙な位置にあるので、そのバランスをどう読み取るかがポイントとなる。次の衆議院選挙でどの政党が政権を握るかによるだろうが、今までどおり自民公明が政権与党となれば、民主党が作ったトリガー条項は発動しないだろうし、野党が政権を取ればトリガー条項が発動される可能性はある、というのが私の読みだ。