バカンスの盛んなヨーロッパならではの豪華で快適なキャンパー
何日もかけて目的地に近づく遠出やキャンプの際に、安宿やテントを張るのと並び、寝泊まりの方法としてすっかり定着している車中泊。さまざまな装備やハック、オプションやカスタムが開発されているが、販売店から納車されたその日から、ツルシ仕様のままで至れり尽くせり、それがロングツアラー&キャンピングの本場たる欧州メーカーの純正キャンパーだ。「食う」「寝る」だけじゃなく、車中で「遊ぶ」「過ごす」まで視野に入れたレベルの高いコンフォート性と、大船に乗っているかのごとき余裕の動力性能は、まさしくワンランク上の大陸仕様。日本でも買えるそんなキャンパー3選を紹介しよう。
メルセデス・ベンツV220dマルコポーロ ホライゾン
今のところ日本市場で正規輸入元から販売されているキャンパー仕様が、メルセデス・ベンツVクラスのバンをベースとするこちら。163psのディーゼル2.2Lターボに7速ATという、長距離行にも心強いパワートレインを備え、MBUXからレーダーセーフティパッケージまでメルセデス・ベンツ十八番のインテリジェントドライブも抜かりなし。
フォルクスワーゲンT6.1カリフォルニア
ヒストリックカー市場で絶賛高騰中のトランスポーターT1・タイプIIこと「ブリー」以来、T2、T3、T4、T5と、VWのバンといえばユーロキャンパーの大定番。コンビやカラヴェル、ヴァナゴンやマルチバンなどベースモデルの名称は変遷してきた。
フォード・トランジット・カスタム・ナゲット
2019年登場と上記2モデルよりも後発ながら、4.97mという5mに満たない全長にしてリヤにL字型キッチンを配するなど、装備の充実度で抜きん出た新世代キャンパーだ。というのもベースモデルのフォード・トランジット・カスタム自体がノーズの短いFFで、スペース効率に優れるパッケージングだったため。2017年のマイナーチェンジ以降のモデルはディーゼル2LターボのTDCiが主力となっており、185ps/415N・mという強心臓も魅力となっている。
いずれもコーチビルダーは名門ウェストファリア社
以上、欧州フォードを含む本場ドイツ発のキャンパーを紹介してきたが、シートアレンジやポップアップルーフ、収納式センターテーブルにオーニングといった基本装備や使い勝手が、似ていることに気づくだろう。それもそのはず、日本市場で購入できるこれら3車種のキャンパー仕様を架装するコーチビルダーは、いずれもウェストファリア社だったりする。細かな使い勝手は近いものがあるからこそ、純粋にベース車両の好みで選べる、逆にいえばそれほどまでに、キャンパー文化が欧州では成熟しているといえるのだ。