日産スタンザ
日産車では、スタンザ、バイオレット・リベルタ、そしてスカイラインやプリメーラなど。スタンザは19 77年登場のバイオレットの兄弟車で、まだFRだった時代のモデルだ。5ドアはサニー・カリフォルニアの向こうを張って“スタンザ・リゾート”の車名で、カタログには“4ドアの居住性とクーペのラゲッジルームを共有した多用途車”とある。
バイオレット・リベルタ
バイオレット・リベルタは1981年に登場したFFモデルで、1385mmの当時としてはクッキリと背の高いボディに、ハッチゲートからアクセス可能な使いやすいラゲッジスペースを持っていた。
日産スカイライン
スカイラインは1981年の6代目に設定。スカイライン初の5ドアで、エンジンは4気筒(1.8Lと2L)、6気筒(2LのNAとターボ)、さらに2.8Lディーゼルと幅広く用意された。
日産プリメーラ
プリメーラは初代のP10(1990年)、2代目のP11(1995年)の両方に設定され、いずれもイギリス・サンダーランド工場で生産されたクルマが輸入された。
ホンダ・クイント/コンチェルト
そのほかのメーカーでは、インテグラの前身(初代)のホンダ・クイント(1980年、写真は輸出仕様の“QUINTET”のもの)。 そして、ローバーとの共同開発から生まれたコンチェルト(1988年)などがあった。
マツダ・カペラ/アテンザ
またマツダでは、アラン・ドロンのカペラ(4代目マイナーチェンジ時の1985年)。
その後継車種だったアテンザ(2002年)に設定されたアテンザ・スポーツなど。
ダイハツ・アプローズ
それと本原稿をお預かりして、ふと思い出したのがダイハツ・アプローズ(1989年)。それまでのシャルマンがトヨタのカローラをベースとしていたのに対し、完全にダイハツのオリジナルで造られたクルマだ。一見すると3ボックスの4ドアノッチバックセダンにしか見えないが、“スーパーリッド”と呼ぶリヤゲートを備えていたのが特徴。リヤシートには最大80度のリクライニング機構を備え、同時に多彩なシートアレンジ(後席座面を起こしたフルフラットも可能だった)による使い勝手のよさも特徴だった。
筆者所蔵(!)のカタログの発掘が間に合わなかったが、ほかにもまだ車種はある。いずれにしても、実用性とスタイリングの両方の魅力を兼備させた形というコダワリが、そもそもの5ドアの出発点だったというわけだ。