冬キャンが静かなブーム! リスク対策をしっかりしよう
キャンプといえば夏の定番レジャーですが、近年冬キャンプが静かな人気です。理由はいくつがありますが「キャンプ場が空いている」ため予約が取りやすく、キャンパーも少ないので混雑せず静かにゆっくり過ごせるため。また女性には大敵の「虫がいない」。大気が透明で星がきれい。焚き火や鍋料理が暖かく夏のキャンプのように汗だくになることもありません。熱帯夜で眠れないなんてこともないので実は快適なのです。
ビギナーは低地のキャンプ場から! 雪中キャンプは遭難のリスクも
夏冬シーズンを問わず、キャンプに適した天候は風のない穏やかなときです。冬の荒天は体温を奪い雨は吹雪に変わります。初めて冬キャンプにトライするビギナーの方は、雪がなく凍結しにくい低地のキャンプ場から始めてみてください。
冬キャンプに適したキャンプギアを用意し、適切な知識とノウハウで使用することが安全で快適なキャンプを可能にします。ビギナーの方はハードルを下げてまずはギアの使用に慣れ経験値を上げることから始めることをおすすめします。次ページに、冬キャンプの主なリスクと推奨ギアを列挙してみました。ぜひ、脳内シミュレーションの参考にしていただきたいと思います。
■冬キャンで気をつけるべきリスク
◎降雪・吹雪によるテント破損、風雪による設営難(ファミリー向け大型テントはとくに困難)
◎薪ストーブは一酸化炭素と火災に十分留意した設営を(薪ストーブに対応した難燃素材のテント、設営に適切な準備と慣れが必要)
◎クルマのタイヤをスタッドレスなど凍結路面対応に(積雪などの天候変化に対応したチェーンなども装備)
◎就寝時には暖房を消すため3シーズン用のシュラフでは寒くて眠れない
◎乾燥しているので焚き火は注意。枯れ葉など燃えやすいものは必ず退かすこと(木枯らしが吹くと山火事の危険。火の粉が舞うなら消火)
◎テント内カセットコンロ使用による火災(カセットボンベストーブの火がシュラフ・テントに引火)
■冬キャンに準備したいギア
◎フォールディングスコップ(雪対応)
◎シュラフはダウンを奢る(冬季対応)
◎シュラフカバーで保温性アップ(シュラフの濡れ、汚れからもプロテクト)
◎コット(フォールディングベッド)で地面と体を離す
◎使い捨てカイロ(安全な熱源)
◎ウール素材など暖かい衣服
◎ももひき・ズボン下・パッチ類はかなり暖かい
◎焚火陣幕、ウインドスクリーン、リフレクターは暖かく火の粉飛散を抑える
◎テントはダブルウォール(フライシート)で寒気・結露を防ぐ
◎一酸化炭素チェッカー(ストーブ使用時)
◎小型石油ストーブはコスパが良好、設営撤収もラク、満タンで1日使用可
◎ガスバーナーは低温対応のパワーガスに。気化せず点火しない
■冬キャンテクニック
◎キャンプ場の水道凍結を考慮して多めの水、ウォータージャグを用意(ただし置き場所次第ではそれも凍る)
◎焚き火の薪は多めに用意していく(日没が早いため焚き火時間が長い、寒さで大きく燃やしてしまうため)
◎16時半には日没で暗くなるためテント設営や料理は早めに準備する(暗がりでの調理でナイフで指を切ることも。食材も凍るとナイフが滑る)
◎冬は地面から冷えるためラグマット、断熱マット、エアマットなどで冷気を遮断
◎気温がー5℃を超えると食材、ビールなど何もかも凍るので焚き火のそばに置く
◎タープをカンガルー張りにして寒気・風を避ける(カンガルー張りとはタープ内にテントを張る方式。タープもベタ張りし風を防ぐ)
◎小型山岳テントでも冬用シュラフとエアマットがあればストーブなしで十分暖かい