TGR 86/BRZレースで注目を受ける「ネクセンタイヤ」本当の実力
数あるワンメイクレースの中でも最激戦区として知られる、TGR 86/BRZレース。それもプロフェッショナルシリーズにおいて、最近にわかにネクセンタイヤが注目されるようになっている。
スーパーFJ最強のドライバーと開発
その前に、岡本選手の紹介を。TGR86/BRZ Raceにおいては、はっきり言って無名の存在である。だが、エントリーフォーミュラである「スーパーFJ」では現在、最強のドライバーであり、台数もレベルもダントツの鈴鹿シリーズ、そして全国転戦の「スーパーFJジャパン・チャレンジ」で、それぞれ2連覇を飾っている。
まずシリーズ序盤戦の躍進だが、岡本選手を擁するNEXEN RACING TEAMの金光浩監督は、こう語る。
「僕はネクセンさんと初めて86レースを始めたので、最初のうち適切な内圧がわからなかったし、クルマのスイートスポットを掌握していなかったというのが正直なところなんですけど、タイヤが安定してきたから、僕のドライビングも試せる幅が広がったし、セッティングも試せるところが広がって。とにかく、やれることが増えたから、ほかのドライバーに追いついて、差が縮まったというのを感じました」と語るのは岡本選手だ。
「ドライバーの進化も感じますよ。大地は初めてのハコのレースで初のネクセンタイヤなんですが、初年度より安定して、レースの中でもチャンスがあるときは、ちゃんとつかんでくれるので、すごく安心感もあります。足引っ張っているようなことは全然なくて(笑)、ほかのドライバーに履いてもらっても、彼のほうが速いですからね」とキム監督は補足した。
NEXEN N FERA Sport Rの特徴とは
その上で、スペックをあらためられた新バージョンの特徴としては「いちばん大きく変わったのはコンパウンド。さらに構造が硬いという課題もあったんですね。それを今回のスペック変更で構造をあらためてマッチさせるとともに、コンパウンドを86レースに適した、よりハイグリップなものに変えています」とキム監督。
「本当はテストしたら、鈴鹿ですごく良かったので、中止になったのが残念なんですけどね(笑)。富士でも良かったので、最終戦が楽しみです。今後は研究所ともコミュニケーションをもっと取り合って情報を頂いて、どういう方向で行くか相談しながらやっていこうと思います。もっともっと期待してもらってもいいですよ」とキム監督。今後さらにネクセンタイヤから、目が離せなくなりそうだ。