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SUBARU WRX STIをトコトン進化させる! EJ20の潜在性能を引き出す「BBi TUNE」の中身とは

SUBARU WRX STI BBiチューン

インタークーラーとインテークボックスで安全かつ確実なパワーアップを実現

 新型の登場も噂されるWRX STI。そんななか、現行WRX STI(VAB)の「BBiチューン」が話題となるのは嬉しいニュース。すでに完結しているかと思われたが、ここにきてHKSから新作パーツが登場した。メニューの見直しが行なわれたのだ。

BBi Tuneとは?

 本題に入る前にBBiチューンについて触れておきたい。HKS BB Tuneの考え方を継承して、HKSのeye(i)で見たHKSの英知(Intelligence)を駆使したVABオーナーに届けるためのチューニングである。

EJ20の潜在性能を引き出す最適化プラン

 ハイパワーだけど扱いやすい、そして安心して楽しめるのが、BBiチューンが一貫として掲げてきたコンセプト。EJ20の最終形態でもあるVABについても、その基本理念は踏襲される。当然ながら車検対応チューンとなるVABを無駄なく進化させるBBi TUNEが展開してきた、これまでのステップをおさらいする。

よりよいメニューにすべくアップデートが実施された

 スーパーオートバックスとHKSがタッグを組んで展開しているBBiチューン。水平対向という特殊性も加味しながら、ベースエンジンの素性を検証。ユーザーが安心して着手できるメニューを提案するものだ。

 WRX STIについては、吸排気チューンやメタルキャタライザー、そしてBBiチューン専用のフラッシュエディターデータやGT III RSタービンまで、ステップアップメニューを提案。予算や目的に応じて無駄のないチューンを楽しめると、ユーザーから好評を博してきた。

 なぜ、あらためてこのBBiチューンをクローズアップするのか? じつはHKSでは、新たにWRX STI用の純正置き換えタイプのインタークーラーとエアインテークボックスを開発。それに伴い、よりユーザーに喜んでもらえる内容へと進化させるべく、BBiチューンのステップアップメニューの見直しが図られたというのだ。 具体的な変更点は、ステップ4にインタークーラーとエアインテークボックスによる吸気温度の安定化が盛り込まれたこと。それに伴い、フラッシュエディターのBBi専用データもアップデートが行われる。そこで今回は、ステップ1〜3をおさらいしつつ、ステップ4の詳細を紹介していくことにしよう。

VABを無駄なく進化させるBBi TUNE
これまでのステップをおさらい!

【ステップ1】マフラー交換で排気効率を高めて
パワーアップできる環境を整える

 まずはマフラー交換に着手。排圧を抑え、エンジンやタービンがストレスなく回る環境を整える。HKSでは軽量タイプのハイパワースペックLIIや、オーバルサイレンサーのスーパーターボ、4本出しチタンテールのリーガマックスプレミアムなどを用意する。

ハイパワースペックLIIマフラー

 0.8mm厚のSUS304材を採用し、純正の約半分という軽さを実現。チタンカバー付きテールがスポーティだ。なおHKSのマフラーは絞りなしのストレート構造なので、排気抵抗を大幅に低減できる。◆ハイパワースペックLIIマフラー
価格14万3000円(税込)

スーパーターボマフラー Ti

 低排圧と静粛性を高次元で両立させたターボ車専用設計。VAB用はシングルテール、ツインテールも設定し、さらに超軽量なフルチタンモデルも用意する。音量やデザインの好みに応じて選べるのだ。◆スーパーターボマフラー Ti
価格:56万9800円(税込)

◆スーパーターボマフラー(ツインテール)
価格:23万4300円(税込)

◆スーパーターボマフラー(シングルテール)
価格:18万7000円(税込)

【ステップ2】純正触媒をメタルキャタに交換
排圧を抑えて過給圧を安定させる

 VABのパワーアップを図るうえで、ネックとなるのが排圧の高さ。マフラー交換のみでは5000rpm以上でノッキングの兆候もみられた。そこでステップ2では大きな抵抗となっている純正触媒をメタルキャタライザーに置き換え、過給圧特性の改善しつつ、耐ノック性も向上。それと同時にフラッシュエディターを導入する。ブーストアップデータ(PHASE2)をインストールすることで、レスポンスアップと高回転の伸びを向上させる。マフラー+キャタライザー交換後は、6000rpm以降もキレイなパワーカーブを描くことを実証している。

スーパーファイヤーレーシングプラグ

 メタルキャタライザーの導入により、エンジン出力が向上することで燃焼室の温度が上昇する。そのため、ステージ2では高熱価レーシングプラグへの変更も実施する。高負荷、高過給時にも安定した着火性能を確保するのだ。◆スーパーファイヤーレーシングM40iL
価格:2420円(税込)

メタルキャタライザー

 エンジン保護の観点からも欠かせないのがスポーツ触媒だ。HKSではセル数や形状、太さなどを最適化。優れた浄化性能を確保しつつ、高出力に対応させた。排ガス試験証明書も添付される。

フラッシュエディター

 OBDIIコネクタを介し、フラッシュエディターのブーストアップデータ(PHASE2)をインストール。過給圧やバルタイ、電動スロットルの制御を最適化することで、全域でストレスなく吹き上がるようになる。◆エキゾースト&ECUパッケージ
価格:29万2600円(税込/メタルキャタライザーとフラッシュエディターのセット)

【ステップ3】レーシングサクションをセット
吸気効率を高めて空燃比を最適化

 ステップ3は吸気チューン。レーシングサクションやドライカーボンサクションで吸気効率を高めつつ、エンジン制御を最適化しパフォーマンスの向上を図る。両アイテムの装着により、吸入効率は約50%アップするが、要となるのはフラッシュエディターのBBiチューンオリジナルデータだ。エアフロマップを書き換えてA/F(空燃比)学習値を最適化することで、理想の空燃比でエンジンの燃焼効率をアップできる。社内テストでも、純正に対して+30ps、メタルキャタライザー装着時に対して+20psの上乗せを実証しているのだから、その効果は侮れない。

フラッシュエディター(オリジナルデータ)

 吸気効率向上に伴い、エンジン制御も最適化。フラッシュエディターでエアフロマップの書き換えを実施する。BBiチューンオリジナルデータはパワー&トルクをアップさせつつ、十分な安全マージンを確保している。

◆フラッシュエディター for VAB
価格:6万6000円(税込)

ドライカーボンサクション

 インマニ下を通る純正サクションは角度がきつく、場所によってはかなり絞られた設計。対して、ドライカーボンサクションはスムースに吸気が流れるよう形状を最適化。過給の立ち上がりもスムースになるレーシングサクションむき出しエアクリと、アルミサクションパイプのセットとなる。スポーティな吸気音が楽しめるのも魅力だ。走行時の吸気温度はノーマルより4〜5℃下がるが、吸入空気の流れが変わるためECUセッティングは必須となる。◆カーボンサクションキット
価格:7万1500円(税込)

レーシングサクション

 むき出しエアクリとアルミサクションパイプのセット。スポーティな吸気音が楽しめるのも魅力だ。走行時の吸気温度はノーマルより4〜5℃下がるが、吸入空気の流れが変わるためECUセッティングは必須となる。◆レーシングサクション
価格:4万9500円(税込)

【ステップ4】吸気温度の抑制を図ることで安全かつ確実な出力向上を実現

過酷な条件でも吸気温度を下げることが安心に繋がる

 吸気温度の安定化は、安全かつ確実にパワーアップするための必須項目。これまでむき出しタイプのエアクリーナーに交換すると走行中の吸気温度は下がるものの、停車中にエンジンルーム内の熱気を吸い込み、吸気温度が上昇してしまうのが課題だった。

 そこで新たに開発されたのが、熱気を遮断するコールドエアインテークだ。その装着により純正ボックス並みに吸入温度を抑えつつ、吸入空気量を増やすことができる。エンジンにとって、よりよい吸気環境が整うのは大きい。

 また吸気温度を下げるために欠かせないのがインタークーラーである。じつは大容量タイプを開発してほしいという声は多かったが、WRX STI純正品の性能を大幅に上まわるのが難しかった。しかし試行錯誤を重ね、ついに確実なパフォーマンスアップを実現する純正交換タイプが完成。新たにラインアップへ加えられたという。 その性能は侮れず、コア出口の吸入空気温度は純正より20℃ダウン。また圧力損出が少ない設計とすることで、優れたレスポンスを確保しているのもポイントだ。

インタークーラーキット

 純正置き換えタイプの完全ボルトオン設計された、VABに装着可能な最大サイズのコアを採用するインタークーラーキット。新設計の積層コアを採用し、高い冷却効率を確保しながら、圧力損出を最小限に抑え込んでいるのが特徴だ。◆インタークーラーキット
価格:21万7800円(税込)

純正を上まわるための工夫

 純正に対し幅15mm、厚み30mm、コアサイズを大型化している。純正コアはフィンが奥まっている設計なのに対し、HKSのコアはめいっぱい外側までフィンが設けられているのがわかる。その違いは歴然だ。

【純正】
 純正のタンク形状などを見ると、かなり凝った設計であることがわかる。しかしパイプの合流部が最適とはいえず、空気がスムースに流れるかというと疑問が残る所も。コア内部はチューブタイプとなっていた。

【HKS】
 HKS製ではアッパータンクを小型化し、インタークーラーを大容量化した際にネガティブ要素となるレスポンスの悪化を最小限に抑え込む。また、新設計の積層コアを採用することで、高い冷却性能を発揮する。

コア出口の吸気温度は純正よりも20℃ダウン

 純正とHKSインタークーラーの比較結果。タービンから送り込まれた空気の温度は、いずれもコア入り口で150℃に達する。純正は出口で約70℃なのに対し、HKS製は約50℃まで下がった。エンジンに送り込まれる吸入空気が20℃違うのは大きい。実際、パワーチェックでも高回転域での出力が安定していることがわかった。

高回転で出力が安定しエンジンにも優しい

 WRX STIは吸気温度が上昇するとエンジン保護のための制御が介入し、出力ダウンに繋がる。それを抑制できるのはもちろん、ノッキングが出にくくなるためECUセッティングにより、さらに安全かつ確実なパワーアップが実現可能となる。

エンジンルーム内に滞留する熱気をシャットアウトする

エアフロマップも書き換えA/F(空燃比)学習値を最適化

 レーシングサクション付属のエアガイドを外すと内径が拡大し、さらに吸入効率が高まる。ただし吸入空気の流れが変わり個体差がシビアになるため、パワーライター店での現車セッティングが必須となる。

レーシングサクションとの併用で吸入効率を高める

 外気を直接、導入する設計のため吸気温度が抑えられる。カバーは簡単に外せるためクリーナーのメンテナンスも容易だ。エンジンルームのドレスアップに繋がるのもうれしいポイント。

コールドエアインテーク

 レーシングサクションの専用アイテムとして設計されたコールドエアインテーク。エアクリーナー本体とエンジンルームを完全に分断することで、フレッシュエアを導入できる優れものだ。レーシングサクション付きのフルキットのほか、サクションレスキットも用意。◆コールドエアインテークフルキット
価格:14万800円(税込)

停車時も吸入温度の安定化を実証する

 停車時の吸気温度(エアフロ)を比べると、レーシングサクション単体では上昇しているのに対し、コールドエアインテーク装着後は純正並みに落ち着いたのがわかる。走行開始後の温度低下の時間もスピーディになった。

HKSパワーライター店

◆SA会津若松店
◆A PIT スーパーオートバックス東雲
◆SAかしわ沼南/SA千葉長沼店
◆SA246江田/SA厚木
◆SA NAGOYABAY/SA浜松
◆SA京都ワウワンダーシティ
◆SAサンシャインKOBE
◆SA広島商工センター/SA東福岡店

【詳しくはこちら】

◆スーパーオートバックス浜松 
TEL.053・476・2180
https://www.autobacs.com

◆エッチ・ケー・エス
TEL.0544−29−1235
https://www.hks-power.co.jp

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